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2011/05/02

「戦火のナージャ」

 ニキータ・ミハルコフ監督の『戦火のナージャ」(太陽に灼かれて2 The Exodus)を観ました。ミハルコフは私の最大のお気に入りです。現役の映画作家、芸術家としては、私の中では頂点です。個人的には、ヴァン・ゴッホに匹敵する人間描写と考えています。

 この作品、どんどん引き込まれてしまい、2時間半はあっという間でした。まずいつものように、美しい大地と地平線。その間に人が生きているんだ、人は自然の一部と思わされます。親子の愛と絆もいつものテーマです。ロシアは家父長の強い世界と思われていますが、強い父のモチーフは今回も感じました。
 またミハルコフ作品は、いつも少し可笑しい日常が描かれ、その直後に登場人物たちを地獄に突き落とします。今回は、士官候補生が合流し、罪人たちと要塞を築く、そこで交わされるエリートと非エリートのちぐはぐなやりとりで笑いを誘った後に、ナチスの戦車がやってくる。ロシア(ソビエト)側は、数人を残して15分の間に240名が殺されてしまう。赤十字の船がナチスのパイロットの怒りを買い、執拗な攻撃を受ける場面もありました。とにかく燃料が切れるまで報復するのです。やられたらやりかえす、という単純な心理(それも怒りよりも怖れ)が恐怖のどん底に突き落とす。日常と地獄が背中合わせと感じさせるのは、さすがです。

 試練を神の計らいと考えなければ、それに耐えるのは難しいのではないか。最大の感想です。

 公開中にもう一度観に行くと思います。

2011/01/15

プランナー難民か?

 私は、ここ数年フランクリンプランナーを使ってきました。「7つの習慣」セミナーを受けたのがきっかけだったと思います。その前も「タイムクエスト」セミナーをきっかけに、何年か使っていたのですが、PALMかなにかのPDAにとってかわられたという経緯があります。しかし、セミナーを受けた日にPALMが壊れてしまい、「やはり紙か」と再開したのです。バインダーなど3つも買いました。またストレージ(保存箱)にいれると毎年箱がつまれていき、そろそろ10年でしょうか?それだけ、フランクリンを愛用してきたのです。
何が素晴らしいといって、週単位の時間管理と人間関係から優先順位を決めるフレームです。この2点は他の時間管理術には見られないもので、「ウィークリーコンパス」なるツールは、1週間の価値を高める上で欠かせないものとなっています。

 ところが大きな難点は、1日2ページというリフィルの多さです。ストレージが増えるのがいよいよ気になってきました。そこで昨年は週めくりのタイプをはじめて選んだのですが、これも基本コンセプトを踏襲した素晴らしいもの。今年はさらにコンパクトにするべく、ワイヤーバウンドという、ワイヤー綴じの手帳タイプにしてみました。それでも中身は同じはず、今年からは保存がより楽だな、と期待していたのです。しかし、これはウィークリー(週めくり)でも全く別物だったのです。まず週間計画のページがなくなっていました。それから毎月のカレンダーの後ろにはいると思っていた週間のリフィルが、毎月のものと毎週のものがそれぞれまとめられていて、一緒に見られません。つまり、フランクリンのいう「価値観→長期計画→短期計画」の計画構造に対応していないのです!11月ごろ円が高くて「ついてる!」とばかりにまとめ買いしたのですが、この問題に気づいたときの失望たるや、がーん!という感じでした。ワイヤーを外して組み直しもしたのですが、思う形にはなりませんでした。これはまずいー。

 ここからです。新たな手帳探しを始めたのは。フランクリンのリフィルも種類が減ってきているように見えたので、ここで他に乗り換えるチャンスかと思ったものの、他はみんな同じ。1週間管理と人間関係軸がない。うーん。そもそも、フランクリンを薄くしたくなったのは、Google Appsを使うようになったから。社内での共有を図るには、結局クラウドに頼らざるを得ない。ここで、フランクリンがやっちゃダメだという(フランクリンではすべてのパーソナル情報をプランナーに置け、というお約束になっています)、情報のバラバラ化が起こってしまっていたのです。ですから他の手帳も、Googleも、BlackBerryも、根本的な解決策になってくれない。

 結局、不本意ながら今年はいっそうGoogleに依存する始末。書いて残すのは、Rhodiaのmeeting noteにウィークリーコンパスを挟んで使っています。でも、しっくりきていません。またフランクリンのに戻すか、どうしようか・・・。学生時代以来の友人、林徹哉くんもフランクリンから「ほぼ日」に変えるといってたよなあ。
あなたは今年どうしていますか?

2010/07/10

パリ20区、僕たちのクラス

 「パリ20区、僕たちのクラス」を観てきました。第61回カンヌ国際映画祭 パルムドールの秀作です。
 
 まず、あまりにも日常的な学校の場面だけでできている映画の構成に感心しました。学校以外の場面がないんですよ。そして、ハッピーエンドでもなく、若者たちにとっての人生そのものと、教師の葛藤を、淡々と描いている。これがカンテ監督の世界観でしょうか。
 少年たちは素晴らしいパフォーマンス。クラスには大きな事件が起こるものの、1年後にはそれぞれが成長の跡を残している。教育に関わるすべての方たち、少年少女に観る価値ありと思います。

 教師と生徒の「カレンシーの交換」も見応えありです。
http://class.eiga.com/index.html

2010/05/22

自動車技術展

 1ヶ月も離れてしまっていました。この間、Power Upの翻訳をやっていたり、いくつかの案件に追われていたり、ブログに書いてはいけないことを書いてしまいそうになったので、書かずにいたというわけです。ちょうど1ヶ月、再会のよいタイミングにさせてもらいました。

 今日、「人とクルマのテクノロジー展2010」に行ってきました。自動車技術の現在を理解したいのと、影響力の法則がどのように役立てるか探りたかったのです。湾岸を飛ばしてパシフィコ横浜まで。会場に着くとさっそく来場者登録をして展示場を回ります。

 結論を言えば、おもしろかったなあ。モーターショウよりもおもしろかった。完成車メーカー、モジュールメーカー、素材メーカー、診断機メーカー、製造装置メーカーなど一同に出展していました。各社エコがテーマ。簡易型のハイブリッドなど実に興味深かったですね。モジュールメーカーと完成車メーカーで同じ製品を展示しているのは、可笑しかった。それぞれ異なる観点で自社技術を売り込んでるわけです。どちらに所属する技術なんでしょう。

 何人か、技術者の方を呼び止めてお話をうかがいました。みなさん、技術者魂を感じる方が多くて、日本の自動車まだまだいけるぞ、と感じました。印象的だったのは、ホンダの新製品のプロジェクトリーダーの方の話しぶりでした。製品に対する愛情、仕事の楽しさをお話しいただき、この会社はやはりいいぞ、と感じた次第。ついでにいえば、エコ技術の掲示が多い中、手動変速機の取り扱いがいかにスポーツカー的か、というマトリクスまで用意して、ホンダはぶっとんでいると感心しました。一方で、ある会社さんでは、「仕事が細かく分断されていて、何をやっていたかわからない」という話もうかがい、いつでもうまくいっているワケじゃないんだな、と。そうだよな、技術者みんなが挑戦しなければ!

 ともあれ、プロジェクトリーダーのリーダーシップは重要ですね。こちらが役立てそうなことも、たくさんありますよ!

2010/03/18

世界を見る

 学生からメールが。シンガポールに2週間滞在したそうです。そこで見たのは、あのシンガポールでも、民族によってつける職がことなること、ハラスメントが見られること、自殺者が少なくないこと。長い文章から、とても衝撃的な体験だったことがうかがわれます。

 若いときに世界の現実を見るのは、今後のキャリアの中で大きな体験です。職業人生にどんなインパクトがあるでしょうか。ぜひ、この体験を何らかの形で活かしてほしいものです。

提携か、独自路線か

 ルノーがダイムラーと提携を探り日産ものる、昨日から報道されています。思えば12年前、日産はダイムラーと提携するだろうといわれていたんですよね。けれども、「ダイムラーがクライスラーと組んだため、ルノーになった」ようにいわれたものです。これは後に、「当初からルノーが本命だった(ダイムラーはカムフラージュ)」と変わりましたが。まあ、因縁でしょうか。
 一方トヨタは、今朝(3月18日)の日本経済新聞の豊田社長のインタビューにあったように、同業他社との資本提携に否定的です。
 10年以上ルノーとやってきて、資本提携が厳しいものだということは、日産の方が知っている。それでもなお他社との提携を進めるということは、それ以上に得るものがあることを知っているんでしょうね。提携の組織能力があるとすれば、何なんでしょう。

 今月の買収案件リストをながめながら、考えました。

2010/03/16

「民主的」であるのは容易ではないのか

 タイで、現政権支持者と前政権支持者が、また衝突しています。あれは今報道されているだけで、ずっと続いていたんでしょうね。微笑みの国タイは、インドシナの微妙な衝突の歴史をくぐり抜けてきた外交優等生、と思っていましたが、昨年のASEAN首脳会議を中止に追い込むなど、想像以上の過激な反応に、私はいささか戸惑っています。

 まあ、これも都市部と地方の利害の衝突だとか、地方農村部の利益を拡大したタクシンに対する忠誠だとか、麻薬とか、タクシンの事業とか、カレンシーの交換で考えれば当然かなとも思います。彼なりのリーダーシップでしょう。大変な事業家で資産家だそうですから、それなりに難しいところを歩いているのかもしれません。

 こうなると、2大政党の民主的な政治というのは容易ではない、と改めて思います。ひとたび政権を担当し権力を得ると、野党でいるのはがまんならないんでしょうか。今でも覚えているのは、2000年のアメリカ大統領選挙。怪しい結果であったにもかかわらず、アル・ゴアは、早々に敗北を認めました。国を二分して対立することを避けるためだったとか。そして、ゴアの支持者もその結果を甘んじて受けた。これは、成熟なのかルールなのか。いずれにしても感心したし、印象的でした。さすが、民主主義の国。でも世界では、こんな対応は少ないのかもしれません。

 日本の自民党も、利権がなくなるとバラバラですね。あれは、ひょっとしたら解党になるんですか?そうすると、結局2大政党というのは、どうなるの。

2010/03/05

沖縄の声が聞こえてこない

 普天間基地の移設問題は、いよいよ大詰めに近づいているようです。この一連のできごとからは、いろいろと学ばせてもらいました。

 1 ステークホルダーの利害が錯綜すると、意思決定は難しくなる。〜今回初めて県外移設(国外)を公約(示唆)して発足した内閣です。言い換えると基地反対派が投票した人たちが支持している内閣ですね。こうなると、簡単には「やはり、計画通りに」と言えないのは無理からぬことです。意思決定は、システムで決まるというのがよくわかります。

 2 意見が割れているときに、黙って様子を見ていても、事態はよくならない。これは、グループプロセスや意思決定の定説だと思うのですが。時間ばかりかけて、諮問機関に一任しているというのは、悪い意思決定の見本のようなものです。そうこういているうちに、沖縄県議会までが満場一致で、つまり自民党も含めて県外移設を決議してしまいました。決定後に、大きな傷を残さなければいいのですが。

 3 沖縄県以外おほとんどの国民は、蚊帳の外におかれており、外にいると思えば冷ややかになる。正直言って、日々の忙しさにかまけて、ほとんど忘れていました。いや、大事なことだとは思っていたんですが、気がついたら「鳩山さんがいい決断をするだろう」「いや無理だろう」と、トップに責任を押しつけて、評論家になっている自分に気づきました。安全保障について考えるいい機会なのに、放置してきてしまった・・・。

 私は、沖縄にアメリカ軍が長々と駐留していることのぜひを、賛成派、反対派の本音を徹底的に聞いてみたいものです。特に反対派の感じている現実は、そこに住んでいなければわからないでしょう。近所だと神奈川の大和あたりでも戦闘機が飛ぶと首をすくめてしまうような音。東名を高速で走っていても、轟音が聞こえることもあります。そういう環境問題だけ考えても大変な負担だと思います。それだけでなく、安全、プライド、雇用など、いろいろな角度から現実をどうとらえておられるのか。双方の意見を徹底的に明るみに出して、みんなで議論に加わって、その上で決めるのであれば、国民の納得度も上がるというものです。投票率も上がるだろうな。でも、沖縄の声はあまり聞こえてきませんね。触れているメディアが悪いのか、自分がよく読んでいないのか・・・。
 今からでも参加して、納得するだけの情報を集めたいと思います。

2010/02/28

「消費」のパラダイムでは、わからないことがあるにちがいない

 20世紀後半、人々の相互依存が進むにつれて、キャリアにおける生産と消費のバランスは激変したにちがいありません。つまり、「自分でつくるよりも、買った方がいい」部分が劇的に増えたと。例えば、食事するのに、材料は農業や漁業を営む人が生産した素材を、スーパーマーケットなどで買ってきて調理します。加えて、外食、中食の機会も少なくないですね。

 どうやら、このことがだめにした職業があります。エヴァン・I・シュワルツ「発明家たちの思考回路 奇抜なアイデアを生み出す技術」(ランダムハウス講談社)によると、1941年の国勢調査から「発明家」という職業は削除されたのだそうです。

 この本のプロローグにいわく「消費者の立場で考えるのをしばらくやめなくてはいけない」。ほしいかほしくないかで考える、人から認められるかどうかで判断する、などを排除し、ものごとの見えない本質を探究することこそ、発明家のスタートなのだそうです。私たち、売れるか売れないかで考えちゃいますからね。心に引っかかることを探求すると、新たな価値が生めるのかも知れない。そんな気がしています。

2010/02/24

オリンピック 日本選手はよくやっている

 オリンピックも後半。日本のメダルは期待以下と思われているでしょう。私も「こんなものなんだ」という感じ。10個のメダル、とかいう目標は何を根拠に言っていたんでしょうね。

 それはともかく、みんな良くやっていると思います。なにより、あれこれ多くの競技にでているではありませんか。それも、いい競技をしている。ノルディックスキー複合も上位入賞でした。幅広い活躍は日本のポテンシャルを感じます。若者は潜在能力がある。

 それより問題なのは、根拠の薄弱な目標を表明していること。テレビの視聴率を稼ぎたいんでしょうけどね。こういうまやかしが、国民の不信をうんでいるんじゃないかな。昨日の研修でお会いした参加者のみなさん(会社員)、誰もテレビ観てなかったですよ。サッカーの「ベスト4」には、いよいよ心配ですね。

2010/02/08

ナノテクノロジー

 NHKでジェームズ・ジムゼウスキー教授による「未来への提言」を見ました。教授はナノテクノロジーの大家。原子レベルで見ることができる電子顕微鏡の発明者です。ナノテクノロジー自体は、世界に大きな変革を起こすことを期待されている新しい技術。原子スイッチなど興味深いものも多々ありました。

 禅にも通じているジムゼウスキーの話しで印象的だったのは、ナノテクノロジーは全体の中で見なければならない、ということ。一部だけを見ていけば全体に対して無責任になるという。原子レベルの技術を追求する博士ならではの世界観と感じました。これは会社にもあてはまりますね。一部を仕事の部分としても、個人としてもぴったりです。耳が痛いですね。

 最後のメッセージは、子供たちの将来を見据えよ、といったものでした。そう、仕事も個人も未来につながっていなければ!

 私たちは歴史の中にいかされていることを忘れてはいけないな、と思ったしだいです。

2010/02/07

朝青龍の引退

 朝青龍の引退は残念ですが、技を持ったプロがその力を土俵の外で使ってしまったのですから、これはやむを得ないでしょう。皆が言う「勝つだけではだめだ」というのもよくわかります。横綱は受けて立たなければならない。横綱相撲ですね。だれもそれを彼に教えられなかったのかと考えるとは、本当に惜しい。たぶん、最後まで横綱相撲の意味がわからなかったのでしょう。

 仕事についての前提、キャリアの成功についての前提は、人によってずいぶん異なります。
 結果を出せばいい、と考えている人もいれば、仕事を通じて人間的に成長することが目的だと考える人もいる。マックス・ウェーバーによれば、プロテスタントの地域が資本主義の経済活動でリードしたのは、お金を稼いで豊かに暮らせるのは、神に認められている証、との認識されていたからです。まあ、今となってはいささか単純な気もしますが、アメリカにおける成功話は、そうして蓄えた財産を人々に施す話しが多いですよね。カーネギーしかり、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットしかり。ビジネスでいい結果を出せば認められるのは現実だし、結果そのものが目的となるのは当然と思われますが、すべての人がそう考えるわけでないのは興味深いところです。

 対して日本では、仕事を通じて人間性を磨く、という話しになる。日本航空の会長になった稲盛和夫氏が最近では代表格です。ホンダの元社長、久米是志氏はものつくりに仏道を見いだしています。思いを尽くせば「無分別」の状態となり、初めて良いものができる。自分と対象物が一体になるまで魂を注ぎ込むと、いいものができ、結果儲かるときもあると。自分を捨てよ、といっているわけです。うーむ。そのようなイデオロギーは江戸時代からあった。たとえば、三河の城持ちだった鈴木正三のように、ビジネスが仏性と結びつく話しは少なくないですね。

 このようなアプローチが日本独特のものかどうか定かではありませんが、「相撲道」があれば、やはり相撲における成長が人格の成熟に結びつくのは必然と感じます。しかし、これを理解するのは必ずしも容易ではない。朝青龍の事件にも、難しさを感じました。若者の意識も確実に変わっています。それがいいのかどうかは・・・・。私は「仕事を通じた人間の成熟」の方に魅力を感じています。

2010/02/06

人をよろこばせたい

 オリンピックも間近。選手のなかには、みんなを喜ばせたい、という人が少なくありません。それでいいの?

 人を喜ばせたい、という若者は大勢います。いい心がけだと思います。やはり仕事は人に喜ばれることに意味があります。しかし、喜ばれることに満足してしまうのは、かわいがられたい、認められたい、というところがどこかにある。そういう若者は話してみるとどこか緩いな、と感じます。自分のためにやる、という学生もいる。それはそれでどこか品がない。私は一緒に仕事したくないかな。これは、と思うのは、人のために自分を捨てられそうな若者です。

 そういう意味では、中年の星、葛西、岡崎らに期待します。自分を捨てている。若い選手には、恐れることなく頑張ってほしいですね。

2010/02/03

心柱を見つける

 大阪出張の移動中、京都東寺を訪ねました。ちょうど五重塔ご開帳にあたり、久しぶりに心柱にお目にかかりました。

 東寺五重塔の中心の柱、心柱は、大日如来に見立てられています。柱が仏像に相当する仏様になっているのです。その心柱の周りを宝生如来ら他の四如来と八菩薩が固めており、立体曼陀羅になっています。

 密教をよく理解しているかどうか、自信はありません。ただ、私の認識では、だれにでもあまねくは大日如来が遍在する、と考えるのが真言密教だと考えています。
 であるとすれば、私の心にも、あなたの心にも大日如来がある。心柱のように。しかし現実には悩みや苦しみから離れられない。それは如来が見えないから、愛と欲に執着し、人生困難だらけで、悩みがつきないということ。そこで、心柱が見えるように、右から左から様々な見方を示唆することが、教育やカウンセリングの仕事であることになります。

 五重塔心柱と対面しながら私が考えたのは、こんなことでした。

2010/01/31

大人の姿勢〜キャリア教育について

 NHKニュースによると、文部科学省は社会人としての素養を大学で学ばせるよう、大学側に求めるのだそうです。就職した会社をすぐに辞めてしまう若者が多いための対応と報道されました。(残念ながら文科省のサイトを見てもどこにあるかわからない、議事録などがもっと早く見られると、ニュースの後にすぐ見られるのですが)

 私は大学でキャリア教育を担当させていただいており、複雑な気持ちでこの報道を見ました。こうして役所からの求めがあれば大学は積極的に対応するでしょう。しかし、仕事が続かない若者が増えていることへの対応を大学側にばかり求めるのが妥当とは思えません。
 企業が以前よりも人材育成に力を注がなくなっていることは、周知の通り。企業側も余裕がなくなっているのです。終身雇用は崩れていますし。それは仕方ないにしても、現場の人材マネジメントの問題も認める必要があるのではないでしょうか。私の知っている日本の現場の問題は「親身に指導する、ただしその方法にばらつきがあって、苦労する部下がいた」でした。でも今は放置ですからね、冷たい。「自己責任」とか言われて、何もできない上司の犠牲になっている。だから辞めるんじゃないんですか。それも「冷たくされたから」ではなく、「こんな大人の世界がばかばかしいから」なんじゃないかな。
 若者たちは、大人が裸の王様だって見抜いています。

 大学にキャリア教育を、というのは結構ですが、一方で大人がキャリアの姿勢を示さなければ、教育するほどに現実とのギャップは拡大、ますます大人の世界がばかばかしくなってしまうよね。「今の大学生は少子化の中で大事に育てられ、自ら人生を切り開くことができない学生が多いと感じる。大学側は単に就職活動の支援をするのではなく、学生に生き様を考えさせるような指導をする必要がある」との黒田壽二氏(中教審委員 金沢工業大学総長 NHKニュースより引用)のコメントに賛成。それだけに問われているのは、大人の姿勢だと思います。

2010/01/27

厳しい会社

 昨日投稿の日本電産を始め、昨今元気な会社はいずれも厳しい組織だと言えます。トヨタ、京セラ、キーエンス、リクルートなどなど。学生には、会社訪問で厳しい雰囲気の会社を選びなさい、その方が自分が伸びる、と述べました。

 悪くないアドバイスでしょ?

 今日で今年の授業は終わりました。あとは、採点です。

2009/11/22

映画 おくりびと

 アカデミー賞海外語作品賞受賞作「おくりびと」を、ようやく観ました。いいお話しですね。私が感銘を受けたのは、主人公が新しい、それも周囲が良く思わない仕事をしていく姿と、前職まで打ち込んできたチェロを弾く姿が重なっている部分です。仕事とは音楽を奏でるようにするものだ、人生は毎日の仕事の積み重ねだ、と感動したものです。

 その一方で、もう一つ物足りなさを感じたのも事実。主人公のまわりの人が、いい人過ぎるのかもしれません。出て行った妻は戻ってきてくれるし、友人は許してくれる、上司は個性的だけれども人間味にあふれている。主人公はこの体験を通じて成長しているにもかかわらず、地を這うような苦しみから得られた何かが、描かれていないからかもしれません。

 出て行くときに妻が言います。「これまであなたの言うようにしてきました。だから今度は私の言うことを聞いてください」でも主人公は、嫌だと言います。これだけカレンシーを受け取ってきて、何のお返しもしてないじゃないですか。そこが不自然な気がしたのだと思います。そういう意味では、最後に父を赦す。ここにむしろ西欧的なニュアンスを感じ、アカデミー賞受賞は納得できるね、と家では話していました。

 そうはいっても、美しい景色と人の優しさ。いつかまた観たくなる映画だと思います。

2009/11/21

安藤百福氏の偉業

 日経ビジネス陣文庫で、日清食品創業者安藤百福氏の「私の履歴書」を読みました。インスタントラーメンの発明者として有名な方です。根っからの起業家なんですね。戦前からいくつもの会社を興してきたのだそうです。その時々の総理大臣とネットワークがあったというのは、食品メーカーという控えめな業界のトップとしては意外な気がしたものの、たしかに国民の食を支えるというのは、重要な事業であり、実は国策でもあります。

 今日はその偉業に経緯を示すため、朝からカップヌードルを食してみました。実は夜も。キャリアエンパワメントでは、12月19日に安藤氏の起業家人生を討議したいと思っております。

2009/10/13

新監督

 私は1974年ごろから広島カープのファンです。一時は強い時期があったものの、この20年近く優勝しておらず、ファンとしては残念な思いをしています。今年は新球場で、と期待したのですが、結果は5位で大いに落胆。

 カープはなぜ弱くなったか。私にはわかりません。でも感じることは、選手一人一人が自分のプレーに精一杯で、チームとして闘うまでいっていないこと。強いチームは、巨人しかり、日本ハムしかり、チームとしてプレーしていると感じます。だからプレーが泥臭い。泥臭いプレーに膝を打つ。弱いチームでも選手は一流です。プレーは美しい。しかし美しい分だけ、チームより自分になっているんじゃないか、なんて、知りもしないのに勝手に考えています。
 対照的に今年躍進したのは楽天イーグルス。これも見てもいないのに、成長したな、などと思うのは、野村監督の勝つ野球が浸透してきたに違いない、と想像させるから。実は、カープも強かったときは野村の教えを受けたといわれる古葉監督、が、野村に影響を与えた(といわれる)ブレーザーヘッドコーチとともに采配をふるっていました。勝つことをイメージさせ、そのための戦略を浸透させるのは、優れたリーダーの影響力のたまものでしょう。
 この差はビジネスにも通じるかな、どうでしょうか?

 カープには来年野村ちがいの野村謙二郎が監督として来るといわれています。逆にカープを去ったブラウンが楽天の監督になるとも。両監督には、きれいなプレーよりも、勝利への執着を見せてほしいものです。

 来年もカープを応援すると思います。

2009/10/06

1ヶ月たって

 1ヶ月もご無沙汰いたしました。

 この間、新政権が始まり世の中賑やかになっている気がします。個人的には、研修の運営であっという間に1ヶ月が過ぎ、また先週からは大学の授業も始まる、といった状況です。おかげさまで、忙しくさせていただいています。

 大学のことをお話しすると、過去2年後期は40-50名程度の履修者数でしたが、今年は定員一杯の70名。学生も世間の状況を理解しているのでしょう、1回目の授業から、前向きに取り組んでいる印象です。うれしいのは、キャンパスで出会う学生が「就職決まりましたよ」といってくれることです。私の授業が彼らの背中を押しているとしたら、少しは役立てているといっていいでしょう?また、学生による私の評価は、前年を上回る好成績?でしたが、これがなぜかはまだ不明です。

(今日は台風が来ており、この夕日は一昨日のものです。秋でしょう?)