2010/01/22

すごく気を遣っている

 今日お目にかかった女性は、周囲を和ませみんなを活気づける魅力的な方でした。あるとき「きみは同僚にすごく気を遣っているのだけど、気付かれていないよね」と上司に言われたのだそうです。「報われていない」と。こんな話しをして下さるということは、まわりを元気づけるのにお疲れだったのかもしれません。

 このケース、興味深いのは、この上司の方は彼女がとても気を遣っていることに気付いていることです。おそらく同僚も感じているでしょう。でもそれがはっきり表明されていないか、あるいは気付いていないか・・・。

 この場合、同僚に「私の努力をどう思いますか?」と尋ねてみるのが第一案。カレンシーの状況を把握するのは、正攻法と言えるでしょう。第二案は、思い切って相手に求めてみることです。同僚が、「カレンシーを受け取っている」と感じていれば、お返ししたいと思っているはず。仮にそう感じていなくても、重荷を背負った同僚がその荷を下ろそうとしている、と思えば協力したいでしょう。そこに「私、頼みがあるのですが・・・」と言ってみるのは、実は相手に助け船を出していることになります。つまり、相手に求めることがカレンシーになる場合もあるということです。

 これは、昨日の投稿に続くお話し。特にまじめな方ほど勇気が要ると思いますが、有効な発想の転換だと思いますよ。

2010/01/21

助けてと言えない30代

 今日のNHK「クローズアップ現代」(“助けて”と言えない~共鳴する30代~)では、30代の若者が他人に助けを求められない、ということが報道されていました。テレビに出てくるのは本当に人の良さそうな男女です。少なからぬ若者がホームレスでいることを見て、あらためて衝撃を受けました。番組の分析は、自己責任を強いられた世代が一人で抱え込んでいる、というものです。この分析のぜひはともかく、たしかに一面をついているのでしょう。

 私が思ったことは3つ。まず、論理療法がよい、ということです。登場する助けを求められない若者は「すべてを自分で処理しなければならない」「自己責任を果たせない私はだめ人間である」というイラショナル・ビリーフをもっています。彼らは自分の無力を裁いていますが、論理療法では人は人を評価できないと教えます。なぜなら人はみな同じ次元にいるのですから。異なる次元にいるのは神です。イラショナルとは神になろうとしていること。それは合理的な考え方ではありません。この考え方を変えないといつまでも苦しんでしまう。論路療法派の私としては、一般的な認知行動療法では不足で、ここは人生哲学を教えなければならないと考えます。國分康孝先生の各著作を読むと良いのではないでしょうか。

 次いで考えたのは宗教です。北九州で若者のホームレスを支援する牧師が出ていました。今日はキャリアについて教えており、「日本には日本独自のキャリア開発があるな」と考えていました。仏教的なアプローチです。しかし、番組に登場する若者たちに必要なのは、むしろキリスト教だと感じました。自らを裁くことを止める、そして「絶対の愛」と向き合う。これはキリスト教の世界です。ただ、五木寛之であれば、浄土真宗もよい、ということになるかもしれません。

 そして、人間関係の本質を教える。つまりカレンシーの交換で人間社会が成り立っていることを理解させること。他人に助けを求めるのは、普通に考えれば相手に借りを作ることになります。カレンシーを渡すと返したくなる、というわけです。しかし現実は、そう単純ではありません。助けを求められると「役に立てるんだ」と嬉しくなることもあるのです。カレンシーを下さい、ということが相手にカレンシーを渡すことになる場合があるといえます。たとえば、高校生の子供に相談を持ちかけられる親は嬉しい。ここがおもしろいところなんですが、人間関係が上手く築ける人はこれを知っている気がします。なかには甘えっぱなしの若者もいますから、一概には言えませんが、このあたりの人間関係の妙を、年長者は教えてあげると良いのではないでしょうか。

 いずれにしても、若者にこれからに光を!というのが私の願いです。

2010/01/20

新入社員の意識2

 この時期就職した若者の立場で考えてみましょう。就職難、そのなかでつかんだ仕事です。もともと能力のある若者たちでしょう。将来のことを考えるより、まずはこの仕事を手放さないことを考えるんじゃないかな。さらに、
1 将来の経済的な発展が見えない
2 高齢化社会を支えるのは自分たちだ、と感じている
3 将来に備えて、あれもこれもやらなくっちゃ、勉強しなくっちゃ、というムード
4 不安定な社会 まずは身内を固めよう
5 資格をとって、どこでも働けるようにしておこう
6 親は過敏に反応 そのプレッシャーは大きい
7 他の友達も保守的 ここで目立つのはリスキー
8 会社が与える目標は入社1年目でまだ低い その点はラク
9 とはいえ、いつでもここから脱出できるよう準備しよう
10 上司から言われたことだけやっていればいいでしょう・・・・

どうでしょうか?

2010/01/19

新入社員の意識1

 日本生産性本部の調査によると、昨春入社の新入社員“「人より多くの賃金を得なくとも食べていけるだけの収入があれば十分」とする回答が、「そう思わない」とする回答が52.9%いるものの、過去最高(47.1%)”なのだそう。同じ調査の結果を見ると、“「仕事をする上で上司・同僚が1番目に大切だ」とする回答が4年連続して増加し、過去最高(30.2%)”ということは、お客よりも身内か!!学生と話していても自分の身内重視と感じます。自分中心なのかな〜。

 そんな部下が自分と同じだと思っても働かないでしょう。しかし、そうはいっていられません。言われたことしかやらない若者を、どうやってやる気にし、顧客や組織に貢献させるか。(つづく)

2010/01/18

小沢氏を動かせるか

 民主党幹事長小沢一郎氏は難しい状況に立たされています。真実はわかりませんが、いろいろあるのでしょう。しかし日本経済新聞を見ると、党内に小沢氏に何か言える人はほとんどいないようです。これまで小沢氏に頼り切っている議員が多いのだと思われます。言い換えるとカレンシーをもらいっぱなしなので、逆に何もできないのだと言えるでしょう。そんななか小沢氏に批判的な「七奉行」なるグループが現実的な対応を試みているのは、頼もしいと言えます。

 さて、私たちが小沢氏の配下にあって、この”独裁者”に検察の捜査に協力するよう進言しなければならないとしたらどうしましょうか。一つ間違えればどんな冷や飯を食わされるかわからない。慎重に進めなければなりません。どうしましょうか?

 まずは、小沢氏の立場に立って考えてみましょう。
1 彼はなぜ俺だけが、と思っているかもしれません。彼の恩師田中角栄氏も金の問題で政治生命を絶たれました。氏から見れば検察の陰謀に見えてしまうのかもしれません。検察当局への対決姿勢をあらわにしていますね。
2 一方あのような一見豪傑でも、今夜は眠れないかもしれない。側近が逮捕されていくというのは相当なプレッシャーのはずです。ところで、彼の大きな目標は、政治改革と言われています。たぶん、そのために金を集めていたのでしょう。
3 小沢氏は実は理想主義者であるとも言われています。問題意識も高い。官僚支配を打破するというのは、彼の政治家としての大きな使命のはずです。しかしこのままでは、その政治改革がとまってしまう。焦るでしょう。
4 党内外のだれが敵か、疑心暗鬼にもなるでしょう。
5 彼の政治スタイルを大きく変えることは難しいかもしれません。この方法しか知らないのですから。
などまずは思い浮かびます。

 彼を動かせるとしたら、「こいつは味方」だと確信されることが前提です。そのような真の腹心を相次いで検察に奪われてしまった。となると、今こそ信頼できる人材を求めているはずです。また、彼の考える政治改革を進めることを請け合う必要もあるでしょう。党内結束して必ず成し遂げると。ただ、それらを実績で示せないと難しいかもしれません。おそらく疑り深い人です。そういう意味では、これまでの実績も重要。それこそ「七奉行」の話しなど聴きません。私にはもちろん無理です(笑)。
できるとしたら、管財務相ぐらいでしょうね。小沢氏の懐に飛び込み氏を支えようという態度を維持しつつ、また小沢氏と目指す方向が似ていながら、全く異なるアプローチで実績を積み、微妙な距離を保っています。小沢氏がもっとも買っている人物かもしれません。小沢氏を動かそうとしたら、管氏のような関わり方が有効、と考えています。

 さてどうなるか。