2011/04/22

名車の開発

 「名車を創った男たち」を読みました。90年前後の「名車」開発のプロジェクトリーダーへのインタビューをまとめたもの。スカイラインGTR、ユーノス・ロードスター、エスティマなど、日本車が輝いていたころの開発物語がコンパクトにまとめられています。今ではこうはいかない、というような専用部品をふんだんに使った贅沢なクルマたちが、あったんですよね。

 私の関心は、もちろんプロジェクトのリーダーシップ。ロードスターが派遣社員中心?に開発されていたとか、スカイラインを生き返らせるために幹部に使った殺し文句とか、役割を越えて口を挟ませる規範づくりとか、責任共有のリーダーシップとの繋がりを感じて実に興味深い。ひとりひとり会って、話を直接聞いてきたいと思いました。

 日本には、ものづくりの侍がいた、という気がします。きっと今も息づいているのでしょう。楽しい本でした。

2011/04/21

somewhere

 ソフィア・コッポラ監督、"SOMEWHERE"を観てきました。ヴェネチア金獅子賞受賞作となれば期待も高まるというもの。でも、へえ、なるほどね、という感じ。
 コッポラ作品は初めてです。結構長回しするんですね。オープニングからフェラーリがぐるぐる回っていて・・・。そのあとも1カットが長い。こういうのは、欧州映画や日本映画ではおなじみですが、アメリカ作品ではあまり見ない気がします。イタリア系アメリカ人による、米伊折衷か。私は1カットが長いのはすきで、登場人物の心理の変化を見せますよね。ところが、この長いカットの後で、この登場人物の世界がたいしたことないなあ。娘と離れれば寂しくて当たり前。何を描きたかったんだろう。
 とはいえ、この作品の父と娘の関係を、コッポラ親子との関連で観てみれば面白い。映像もキャストも魅力的で、もう1回観たら印象変わるかな。