2010/03/13

プロジェクトリーダーは、相反する課題を両立しなければならない

 ちょうど研修後の課題をチェックしていました。Quality Cost Deliveryを厳しく求められており、みなさんたいへんなプレッシャーのなかでやってます。

 QCDとは、平たくいえば「はやい、安い、うまい」ですね。それぞれ相反する課題の達成が重荷。チーム全員の専門性を結集しなければなりません。ところが、組織には外部の人材が入ってきているんですね。社内の知識だけで解決できないことが増えているわけです。彼らはそれぞれ異なるバックグラウンドを持つので、派閥を作りやすい。この人たちを結集させるのがリーダーには一苦労です。

 印象としては、3割近くのリーダーはリーダーの役割を拒否しています。できれば、いちエンジニアでいたい。1〜2割はコミットしているかな。残りの5〜6割は様子見でしょうか。上司を見ても、こんなきつい役割は勘弁してほしい、という感じ。プロジェクトメンバーは、黙々と自分のことしかしない上に、難しいことはすべて上に押しつけるのですから、リーダーの負荷は過大になっています。そのような状況なので、研修の焦点も、まずはリーダーの役割を受け入れることにあります。(よって、私は多大なカレンシーを彼らに渡しています。受け入れさせるために。)

 多様性を扱えないなら、ただのマネジメント。リーダーとは言えないでしょう?(そこで、提携は苦手だと公言するメーカーのことが気になってしまうのですが・・・)チームの定義には「相互補完する多様性」が含まれます。でも、多様な人材を一つにまとめられたら、リーダーは楽しいと思いますよ。それで、相矛盾する課題の達成に臨んでこそ、やりがいも達成感もあるでしょう。日本では、リーダーの定義をよく考えた方がいいですね。

 さて、こう書きながら気がかりなのは、上の「リーダー」のところを「親」にすると、なんとなくはまってしまうところ。少子化の理由は、保育園だとか物理的なこともあるでしょうが、親になりたくない、今のままでいたい、の方が大きいんじゃないのかな。どうなんでしょう。

2010/03/11

松下幸之助翁のとらえる「悩み」

 BlackBerryに音楽を入れて持ち歩いています。そのなかに松下幸之助翁のCDがある。まれにでも聞いてみると、いいなあと思います。

 例えば「千の悩みも」という講演。私たち多かれ少なかれ悩みを抱えながら生きている。しかし、その悩みはひとつに収斂していくというのです。小さなデキモノを見つけるときになってしょうがない。でも、お腹に腫瘍が見つかったらこっちが心配になって、小さな出来物のことは忘れるだろう。悩みは突き詰めるとひとつである、と。いいでしょう?

 そのあとがまたいいんです。大きな悩みを見つけたら、その解決に一心不乱に取り組みなさい。それがあなたの人生の生き甲斐になる、というのです。なんたる発想の転換!しびれました。

 このような発想の転換は、大きなカレンシーになり得ます。気持ちが明るくなりますからね。松下翁が優れたリーダーだったワケがかいま見えます。

2010/03/09

「棟梁というのは、木のクセを見抜いて

適材適所に使うことやね」とは、西岡常一棟梁の言葉(「木に学べ 法隆寺、薬師寺の美」小学舘文庫)。
 「木のクセをうまく組むためには人の心を組まなあきません」とはかっこいい!リーダーはこうでないと!!

 3月20日、東京都ウィメンズプラザにて、西岡棟梁著書「宮大工西岡常一 口伝の重み」を読んで、キャリアを学ぶディスカッション開催。

サタデーナイト・ワークショップ1

 4月から「サタデーナイト・ワークショップ」を実施すると書きました。さっそく興味を持っていただいていて嬉しい限りです。

 ニューヨークのアルバートエリス研究所のカウンセラー養成研修に参加したときのこと。事務局から、「フライデーナイトワークショップ」の案内がありました。國分康孝先生からは、金曜日の夜の「フライデーナイトワークショップ」は見るといいといわれていましたので、楽しみにしていたのです。当日はハリケーン襲来の日でしたが、アッパーイーストの研究所まで、宿からせっせと歩いて向かいました。驚いたことに、会場は満席。80名はいたでしょう。

 壇上には、エリス先生とクライエント1名が対面。カウンセリングが始まります。エリスはいわれているように極めて積極的に介入し、どんどんこうしろこう考えろ指示します。一般的な「傾聴」を軸としたカウンセリングとは大違い。これは聞きしに勝る、と感心したものです。そして、聴衆が二人のやりとりを真剣に聴いているのに感銘を受けました。一段落すると、会場からの意見を募ります。数人が、クライエントにアドバイスします。そしてカウンセリング終結。2時間ほどのセッションで、2名のカウンセリングが行われました。

 感心したのは、多くの聴衆が真剣に人の悩みを聴いていることでした。自分の悩みを重ね合わせていたのでしょう。壇上のクライエントが代理となって、カウンセリングを受ける。そんな体験でした。2回目に行ったときは、すでに先生は90歳を超えており、耳もほとんど聞こえないのですが、それでもヘッドセットをつけてカウンセリングしていました。このときは、別の部屋でモニターを通じてその様子を見ました。年代も性別も肌の色も様々。デート中のカップルもいました。聴衆は120人は来ていました。みんなが、互いに助け合っている、身近なコミュニティという感じでした。

 そんなことを、いつかやってみたいと思っていたのです。
 4月から、フライデーならぬ、「サタデーナイト」のワークショップができるのは、私にとってはとても大きなことです。

2010/03/08

ビル・ドレイトン氏の活動には、ビジネスの本質を感じる

 「日経ビジネス」3月8日号に、社会企業家の支援団体「アショカ」CEO ビル・ドレイトン氏へのインタビューが載っていました。氏の活動は、「社会企業家が世の中を変える チェンジメーカー」(渡邊奈々 日経BP)で読んでいましたが、あらためて触れてみるとすばらしいビジョンを描いていると感じます。

 社会企業自体に価値があると思いますが、新しい組織構造を目指していることが嬉しい。「チームのチーム」だと。企業、自治体、非営利組織が、またチームを築く。そこでは、すべてのメンバーがプレーヤーである。全員が主導権をとって、変化に貢献しなければならない。チームが変化を後押しすることに、価値があると。まさに「影響力の法則」が求められます。

 そうして、実現してきた様々なプロジェクト。それを現実と認識した経営者は、組織を変えなければならないと真剣に感じるでしょう。全員の力を引き出して、競合に打ち勝った組織の例もあげられていました。

 私たちの仕事もこうありたいと思っています。もちろん「影響力の法則」で貢献します。

 特定非営利活動法人キャリア・エンパワメントとの共催で、「サタデーナイト・ワークショップ」を実施します。4月10日。詳細は追ってまた。