2008/08/05

カニと交換



 実は休暇中で、親族を訪ねて北海道に来ております。ありがたいことに、北の海の幸、畑の幸で歓迎してもらい、楽しんでおります。
 最大のヤマは、やはり根室の花咲ガニです。北方領土周辺で危険を冒しながらとってくるのでしょう。記憶を辿れば、日韓ワールドカップの開催中に、花咲ガニをめぐって、南北朝鮮が海上で撃ち合いをやったと思うのですが。このカニは、領土問題に発展しても不思議がないほど、美味であります。カニというより、やどかりの仲間らしいですね。独特の濃い味わいがあります。
 このカニは、地元の方でも容易に手に入るものではないようです。やはり地元の関係者とのつながりが重要。何年もおつきあいのある、カニ業者から送ってもらうそうです。毎年買うので、季節になると電話がかかってくるとか。やはりこういう積み重ねなんでしょうね。一見さんには入手困難だろうな。でも、毎年買うだけではないそうですよ。こちらからは、ジャガイモとかオホーツクの豊かな土地の農産物を送っている。こういう気配りが、売り手と買い手の関係を強めていくのでしょう。ここでは、品物とお金のやり取りだけでなく、モノも交換されているし、最終的には小さな信頼の積み重ねがある。こうして社会が成り立っているんだ、と気づかされました。
 花咲ガニですか。それは、声も出さずに黙々と食しました。教えてもらった手順で解体し、食べられるところはすべてすくされて、食べ尽くしました。その姿を見てみんな喜んでくれる。こうしてきれいに食べることは、ご馳走してくれた先方に対するカレンシーになるんですね。写真は、食前食後のカニの姿です。ご馳走様でした。