2010/02/27

ビジョンを描き、共有しなければ、リーダーシップは発揮されない

 研修参加者から教えていただくことは、たくさんあります。

 今日あらためて気づいたのは、ビジョンを描くのは容易ではないということ。例えば、ある部門の本部長が、本部レベルのビジョンを描けず、部やプロジェクトのビジョンしか思いうかばなければ、メンバーはビジネスを狭い範囲でしかとらえないことでしょう。部下に「当事者意識を持て」といってもかなわぬことです。リーダーは、自分で部下の当事者意識を妨げているのかも知れない。自分のビジョンが何を描いているか、改めてチェックする必要があると思いました。

 また、どんなに優れたビジョンでも、部下と共有されなければ、部下の行動にはつながらないですよね。コミュニケーションって大事です。では、コミュニケーションとは何か。実は、カレンシーの交換のことだと、私は思っています。

2010/02/25

豊田社長の顔つきに、迫力が増した気がする

 米下院公聴会に、トヨタの豊田章男社長が参考人として出席しました。一つ間違えば、トヨタは不誠実な会社という印象を与えかねない場面。リスクを冒して出席(参考人は任意)されたわけですね。豊田社長はアメリカ事業も担当されていたので英語ぺらぺらですが、通訳を挟むなど慎重に対応し、誠実な印象。結果としては今できるベストの対応だったのではないでしょうか。

 なにより、1ヶ月前とは社長の顔つきが違って見えるのが印象的。厳しい状況に向き合った経験が、人格をつくるというのは、納得がいきます。この事件を受けて、組織はどう変わっていくのでしょうか。これまで以上に強くなる気がします。

2010/02/24

オリンピック 日本選手はよくやっている

 オリンピックも後半。日本のメダルは期待以下と思われているでしょう。私も「こんなものなんだ」という感じ。10個のメダル、とかいう目標は何を根拠に言っていたんでしょうね。

 それはともかく、みんな良くやっていると思います。なにより、あれこれ多くの競技にでているではありませんか。それも、いい競技をしている。ノルディックスキー複合も上位入賞でした。幅広い活躍は日本のポテンシャルを感じます。若者は潜在能力がある。

 それより問題なのは、根拠の薄弱な目標を表明していること。テレビの視聴率を稼ぎたいんでしょうけどね。こういうまやかしが、国民の不信をうんでいるんじゃないかな。昨日の研修でお会いした参加者のみなさん(会社員)、誰もテレビ観てなかったですよ。サッカーの「ベスト4」には、いよいよ心配ですね。

2010/02/22

変革型リーダーシップは、無私の心を要求するか

 Burns(1978)は、リーダーの行動として変革型リーダーシップ(Transformational Leadership)と、交流型リーダーシップ(Transactional Leadership)を定義しました。前者は「メンバーの信念に訴え、彼らの正義感を喚起し、現状を打破する情熱と能力を発揮させる」リーダーシップ、後者は「メンバーの関心に訴え、利益を提供することによって、彼らを動機づける」リーダーシップと考えられています。

 どちらが好みですか?一般的には、前者の方が理想的なリーダー、カリスマにも通じるものがあると認識され、好まれるようです。ただ、どちらも重要なリーダーの役割といわれています。

 さて、この変革型リーダーシップの4つの要素が定義されています(Bass & Avolio 1994)。Idealiazed Influence, Inspirational Motivation, Intellectual Stimulation, Individualized Consideration。適訳が見つからなかったので、次のように訳しました。「無私の心、ビジョン、知的刺激、コーチング」。とくに「無私の心」は結構いいかな。本当は、憧憬を得る、のようなことなのですが。私利私欲から自由であることは、リーダーシップに欠かせませんよね?

2010/02/21

学生は「信頼」を学びつつある

 昨日、大学の学外プログラム「デキ女子塾」を運営しました。昨日のテーマは「信頼」ということ。ここでいう信頼とは、人に頼り切ることではありません。完全に知り得ない相手と、リスクを冒して協力関係を築く。スピードの速い現在、必須の能力と考えています。私の場合「信頼」は人間力の一つです。

 さて、いくつかのアクティビティを通じて信頼を学ぼうということでしたが、果たして学生は思った以上に感じてくれたように思います。たとえば、「信頼は片思いでもよい」「人柄を認めること」「信頼は自発的」など、おおっと感心するようなコメントが多々見られました。「信頼」を学びつつあると言っていいでしょう。

 このリスクを冒さなければ、影響力は高まらない。よって信頼は影響力につながる力でもあります。今後の学生生活で手応えを掴んでくれることと思います。