2010/01/16

教養の意味

 田淵秀乙さんが経営されるコンサルティング・ファーム、パスカルの設立10周年セミナーに参加しました。田淵先生は灘高、東大、通産省、マッキンゼーという秀才中の秀才。知的刺激に溢れるセミナーやコンサルティングを提供されています。10周年のセミナーも、大脳が活性化する実に面白いもので、若い方々にも大人気です。

 今回、改めて思ったことに、現実、事実を直視することの重要性があります。私たちは自分の望むように相手を見てしまう。だから、上司にも、部下にも、配偶者にも、我が子にも、自分の基準から見て欠けているところばかりが目についてしまう。しかし、客観的な事実は、別に表現されるものです。観察こそ、問題をつかみ先に進める一歩。理系出身の先生のお話から、改めて気づかされます。これは科学の心、科学的なパースペクティブですね。

 影響力をおよぼせる人の説得力は、こんなところにもあるのです。知識をカレンシーとして惜しまず使うことが大切でしょう。

2010/01/15

翻訳を進めています

 「影響力の法則」(現代"Influence without Authority")に次ぐ、Cohen & Bradford共著書"Power Up"を翻訳しています。エンパワメント、参画型リーダーシップを真に進めるには、リーダーシップの方法だけでなく、その前提となる考え方をチェックしておく必要があります。ここでは、ヒロイックリーダーシップ、ポストヒロイックリーダーシップ、という二つの概念を比較することによって、私がちが抱いているリーダー観を明確にします。また、リーダー・フォロワーの関係にフォーカスしているという意味でも、これは発想の転換です。

 部下が働かないとお感じの管理職、上司のリーダーシップが不足と感じているあらゆる階層のみなさんに、役立てていただけると思います。もちろん、多くのプロジェクトリーダーにとっても。

 目標は4月刊行。今回も税務経理協会から発売されます。これまでの経験で学んだ翻訳を詠みやすくする工夫を、さらに加えて、お届けしたいと思います。

2010/01/14

釣りバカ日誌

 20年にわたる連作「釣りバカ日誌」が、今回の作品で最後になるそうです。言わずとしれた主人公と社長の釣りづきあいを描いた、コメディ映画です。鈴木建設という会社の仕事がどう動いているか・・・つい、観てきてしまいました。劇場で観るのは初めてです。

 主人公の浜崎(西田敏行)は仕事をさぼってばかりの、ぐーたら営業マンなのですが、実はよく売ってくる。今回もクライエントの引きこもる息子の面倒を見た縁で、ビル建設の案件を取ってきてしまう。お客さんに対して息子に対する接し方が良くない、と長々と説教してしまうのですが、そのおかげで相手は目を見開かされて浜崎に感謝する。ついでに、ビルの案件をこっそり教えてしまうというわけです。説教、というのがカレンシーになることって、結構あります。

 それから、やはり社長と主人公の交換。釣りを教えたり教えられたりしながら、主人公は社長にカレンシーを渡していきます。毎回社長(三國連太朗)が言うのですが、ほっとする家族の場所もカレンシーです。もちろんビルの受注も。その結果、社長から直接便宜をはかってもらい、好きな釣りを楽しむ。

 やはり、ビジネスも組織の人間関係もこうだよな、とあらためて感じますし、カレンシーの交換で仕事が動いているのは、洋の東西を問わず普遍的な原理と言えるでしょう。私には社長シリーズより勉強になりました。

 もちろん、笑わせてもらいました。1000円なのでおすすめ。見に行くべき、なんですけど、今日もお客さんは全部で4人でした。もったいないな。

2010/01/13

日航CEO

 稲盛和夫氏が日本航空のCEOに内定しました。稲盛氏のことはたびたび取り上げ尊敬する方ですが、高齢の稲盛氏にしか引き受けてもらえなかった(に違いない)難しいミッションゆえに、同情を禁じ得ません。役員、従業員から見れば、何の貸しがあるものか、他所様が来るところじゃない、と本音では思っているはず。大胆なリストラに、表では同意していても、本心は自分だけはと思いたいでしょう。そこを一人一人が各自の問題として受け入れさせるのが、リーダーシップです。稲盛さんでなければならなかったんだろうな、と思います。

 一方稲盛さんからすれば、国交大臣の後援会長だったかたですから、責任を共有せざるを得ない。また「日航を救うことが、日本を救う」と言われれば、「そうかいな?」と思っていても断れない。

 いずれにしても、再建がスムーズに進むことを願っています。

2010/01/12

スパコンの意義

 今朝の新聞に、フランスの「情報処理技術者」が円周率の計算の記録を破ったとのこと(日本経済新聞)。これまでの記録は筑波大学がもっていたので、母校が破られたのは残念ですが、その桁数が2兆7千億と聴くと驚くばかりです。

 苦笑を誘うのは、この記録をだしたのが「通常のコンピューターに5個のハードディスクを増設」しただけの、まあパソコンだということ。対して日本はたいそうなスーパーコンピュータでの計算だったそうです。これはどういう事なんでしょう?例の事業仕分けで問われたスパコンの存在意義のこと、あらためて思い出しました。

 スーパーコンピュータの存在意義について、国民の多くが納得するカレンシーを示す努力が、学術側には必要なようです。

公共の意識

 どこの町でも違法駐車は悩みの種でしょう。交通の妨げになるし、子供が陰にかくれていたら、などやはり安全上気になります。先日など左側のレーンを走っていて、前方を走行中のクルマが突然失速。何があったのか、と思ったのですが、そのままストップするとドライバーはクルマから降りてどこかに行ってしまいました。まあ、いろいろな事情があるでしょうから、お互いに寛容でなければやっていけません。

 残念なのは夜になると塾の送り迎えのお母さんのクルマでびっしりになることです。仮にも公道は公共の場所。そこを占拠して何食わぬ顔というのはいかがなものでしょう。お子さんの成績も気になるし、英語をやらせて国際人にしたいことでしょう。でも本当のインターナショナルな規範というのは、やはり公と私を明確に分けるところからきます。それでなければ、効果的なカレンシーの交換はあり得ない。だって、全部自分の世界だったら、他者との関わりを拒否していてもいいのですから。

 公共の意識を学ばせる勇気を、大人はもっていないとね。それにはお母さん任せにせずに、お父さんががんばらないと。

2010/01/11

高い目標

 この不況期にも高い目標を掲げる企業。ところがどうやら従業員はその目標にコミットしていません。トップの本気度が疑われているのか、そんなことムリだと思っているのか、今のままでいいと思っているのか。しかし、トップとしては挑戦的な目標に部下たちが本気で取り組まなければ、達成はおぼつかない、部下を信頼していいものかどうか、ジレンマにたたされていることでしょう。

 これは大変な交換です。部下から引き出したいのは、挑戦へのコミットメント。何と交換しようか。外部の人間としては、リーダーがカレンシーを持ち出して交換するようにコミットさせ、励ますこと。また部下たちがリーダーの本気度を感じ、同僚同士がカレンシーの交換を進められるよう手助けすること。これから計画を立てていきます。