2010/01/07

我田引水

 我田引水とは、「物事を自分の利益になるようにひきつけて言ったり、したりすること(広辞苑)」だそうです。

 今朝の日本経済新聞には竹中平蔵教授の論文があり、勉強になりました。でも、後半に、現在の状況に対する処方箋として「国民がもっと経済リテラシーを高め、責任をもつこと」とあり、いささか苦笑させられました。私だけではないと思います。

 竹中先生の論文には「国民がわかっていないからダメなのだ」というニュアンスと、ご自身の専門の経済学に触れれば解決する、という単純化が見えて、ああこれがきっとすばらしい人なんだろうにあまり好かれない理由なんだな、と思いました(私は先生のことを好きでもきらいでもありません)。そして「我田引水」という言葉を思い出したのです。

 私も、みんなが「影響力の法則」を読んでくれたら、もっと組織の問題が減るだろうに、とか考えています。しかし、何でもかんでもここに引っ張ってくるのはかえって問題の解決にならない、と考えてしまいます。人によって抱える問題の本質は異なりますし、見立てが済むまでは解決策を与えられないと。あからさまな誘導と、個別対応と、どちらが有効か・・・

 ひとつはっきりしているのは、竹中氏は国務大臣という大きな役割を果たし、国民の矢面に立ってリスクも負ってきたので、その言葉に従う人(カレンシーを返す人)が大勢いるということでしょうね。

0 件のコメント: