2010/01/26

日本電産の採用

 日本電産はモーター・デバイスの世界的なメーカーです。このたび「日本電産 永守イズムの挑戦」(日本経済新聞社)を読みました。京セラ、オムロン、堀場製作所、村田製作所、村田機械(村田会長には「影響力の法則」を応援していただいています)と、京都にはいいものつくりの企業があります。日本電産もそのひとつ。創業者永守重信氏の個性的な人柄、M&Aによる急成長でも注目されています。これからしばらく勉強させていただかないと。

 さて、この本、とてもおもしろい本です。こんなトピックがありました。採用です。京都大学工学部の学生で他社に入れなくて受験してきたものと、有名大学ではないが日本電産に入社したくて来る学生のどちらを採用するか。日本電産では、もちろん後者であるそうです。前者は日本電産から内定をもらっても嬉しくもないだろう。対して後者は、大喜び、一家を挙げてお祝いするはずだ。そういう若者の方がよく働く。永守氏によれば「能力の差はせいぜい2倍、いい仕事をしようという意識の差は100倍、1000倍にもなる。だから意識の高い人を採る」と明快です。こうして高い組織力を発揮するのでしょう。

 これをカレンシーの交換で考えてみると・・・受け取るカレンシーが大きいと感じる人は、小さいと感じる人よりも、ずっと大きなお返しをしようとする。このお返ししようという意識が、実際にお返しできるまで、大きなエネルギーになるといえます。恩を感じている人、借りがある人の方がより大きな力を発揮するのには、こうした理由があると思います。
 ずいぶん昔、佐川急便のセールスドライバーは借金があれば即採用、とまことしやかにいわれていました。辞めないで頑張るからだと。今もそうかもしれません。たしかにそういう人の話は真実味があります。採用の際、恩を感じているとか、借りがあるとか、傷を負っている、そんな基準を入れるのありでしょうね。

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