2010/01/25

社長の影響力

 社の方針を繰り返し述べても、従業員が理解してくれるとは限らない。社長の悩みどころです。なぜ、届かないのか。その一つの解が、カレンシーの不均衡にあると言えます。

 日頃からネガティブなカレンシーを受け取っている、と感じている人は、これ以上受け取りたくない。例えば、会社にこき使われてとんでもない、と思っている従業員なら、上長の話を聞かないでしょう。これはカレンシーの不均衡ゆえの反応と言えます。問題は、カレンシーが主観的なものであること。相手にちゃんと渡さなければ、価値がありません。そこで相手の立場を考え、受け取りやすいように渡すことが肝心。

 外資系企業の外国人エグゼクティブにありがちなのは、社の方針は伝えれば理解されるという誤解。我が国のサラリーマンは、目標や方針をいくら伝えても受け入れないことがある。キリスト教圏の人たちにとって、おそらく方針はCallingすなわち使命なのでしょう。それに対して、私たちは方針にどんな意味があるのか、トップは本気なのか、裏付けを求めたくなるように思います。この点が外国人幹部にとっての難しいところかも。以前社の方針を従業員に教育していたとき「ちゃんと教えているのか?」と責められたことがありますが、あの手この手を使わなければ方針を受け入れないので苦労したのは事実です。

 「神」のような裏付けがあると、もっと交換やコミュニケーションがラクなのに、と思ったりもします。

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