2008/07/20

教員採用試験の不正

 大分県の教員採用試験がらみの問題が、連日報道されています。「ああ、やっぱり」というのが本音。私が学生時代も、コネがなければ教師にはなれないとか、校長に紹介してもらいなさい(誰を紹介か、聞いておいてもよかったな)、などとまことしやかに言われていました。
 しかるべき人に商品券を渡し、子息を採用させる。このようなカレンシーの交換は、汚職の典型的な構図です。これほどまでに、レシプロシティは強い、としか言いようがありません。渡せば返ってくるのを期待できる。もらったら返さなければならない。だからこそ、本来の目的を見失ってはいけないのです。権限を持てば、頼りにされます。頼りにされるというのは、嬉しいもの。それ自体が大きなカレンシーになります。いったん金品を渡されたら、自分はどう反応するか。やはりお返ししなければならなくなるでしょう。だからこそ、断る力が必要になります。自分の中に筋が通っていないと、自分でもコントロールできない力が働いてしまいます。ちょっとならいいか、ということにはならないのです。
 今回のようなケース。権限を持つ人がおねだりしているところにあきれます。官製談合などもそう。しかし、これは一度始めたら、その人の欲望でかたづけられないほど、強い力が働いているからと考えた方がいいのではないかな。少なくとも、Aさんにやったのと同じぐらい、Bさんにも公平にしなければならないでしょう。最初に断る強さが肝心ですね。

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