2008/07/21

頭を下げる

 ドラマ「監査法人」は、週末に最終回を迎えました。現実の監査法人の仕事ぶりとはずいぶん違う、というコメントが多かったですが、まあドラマだから楽しめればいいでしょう。最終回は、また大いに楽しみました。
 まずは、元上司。橋爪功演じる元理事長が、主人公に自分たちの世代が築いてきたものについて説く。オイルショックのときも、将来を信じて対応してきた。お互いの努力を信頼して乗り切ってきたのだと。今は、ルールーを厳格にするばかり。もっと将来を見据えられないか、とのメッセージです。正しければ良いわけではない。
 次いで、若い主人公(塚本高史)が二度人に頭を下げるところ。一回目は顧問になることになったメーカーのトップに頭を下げる。もう一回は、監査を頼みに訪ねた元勤務先で、これもまたもうひとりの元上司に頭を下げる。すると相手が態度を変える。この頭を下げるというのが、本気を示すことになるのだと思います。下手に出るのはリスクですからね。こちらを信頼できるか推し量っている相手にとって、これは大きなカレンシーになるのでしょう。そういえば、心から頭を下げる場面というのを、めったに見なくなった気もします。私自身、アメリカ系の会社にいたときから、自分が頭を下げなくなったと思ったことがあります。かわりに手を振る(^_^;) 今になって、それが日本社会でカレンシーの交換を進められなかった原因だと感じます。また偉くなると頭を下げられないというのもありますね。
 相手と本気で付き合うのなら、自分の正当性を横に置いて、本気のところを示さなければならない。それはリスクを負っていることを示すことです。ところがこれが簡単じゃないんだな。何が本当に大事なのか、自分のプライドなのか、ミッションなのか。忘れないようにしたいと思います。

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