2008/06/27

チームで仕事をする

 今日は、かつて同僚だったアメリカ人女性と私と妻で夕食をともにしてきました。とある大手企業の教育責任者である彼女の抱える問題は、日本法人のメンバーのコミュニケーション能力欠如にあるようです。国外のメンバーと部門横断的に仕事を進めるときに、日本のメンバーが効率的に参加できないことが多い。それはコミュニケーション能力の問題だ、というわけです。
 これを「影響力の法則」で考えるとどうなるでしょうか。遠く離れた国外に拠点を置くチームメンバーとの間でも、レシプロシティは働きます。無視することはできません。よってこちらからなんらかのカレンシーを渡さない限り、相手からは何も返ってこないと考えていい。もしこちらから何ものも渡さなければ、知らず知らずのうちにこちらは蚊帳の外になってしまうでしょう。電話会議など非言語のメッセージを伝えにくい情報伝達チャネルしかもたない場合、だまっていればそうなりがちです。
 ところが現実には、黙っていてもあうんの呼吸で相手が何とかしてくれる、と思っているところがあるのではないかな。もしそうだとしたら、実はどんなにすぐれたコミュニケーション技術の持ち主であっても、うまくいかない可能性があります。それどころか、仇になることもありそう。たとえば「相手を理解するために、もっと傾聴しなければ」などと考えたために、一層受け身になり、相手に渡せるカレンシーの幅を狭めることがあるのではないでしょうか。(注 傾聴そのものがカレンシーになることもありますから、傾聴のパワーを否定することはできませんよ)
 チームがいい成果をあげる過程では、カレンシーの交換が頻繁に行われているはず。それを忘れないようにしなければな、とあらためて思いました。

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