2008/07/17

身内の感覚

 お取引先の方との間に「身内」の感覚がつかめたら、仕事はぐっとしやすくなりますよね。先日もあるプロジェクトが一段落し、お客様と顔を見合わせました。この瞬間、相手との壁がまたくずれたな、と実感します。
 売り手側は、顧客に買ってもらおうとしますから、あの手この手でカレンシーを渡そうとします。顧客にとって有益と思われる情報を、売り手は次々と用意します。それに価値を感じると、顧客側は注文すると言っていい。これは売り手と買い手のカレンシーの交換です。面白いのは、顧客側が、注文以上のカレンシーを返そうとすることです。たとえば、食事に誘ったり、とても丁寧に接してくださったりしますね。私は、これは、カレンシーのバランスをとろうとしていると考えます。こちらの方がカレンシーを受け取ったと感じていると、いざというとき売り手の言うことを聞かなければならないような気がするからです。興味深いことに、ここで買い手側の好意を受け取った瞬間に、相手との距離が近くなった、身内になったという気がしますね。カレンシーのバランスがとれて、ここからが人間同士の付き合いだからかな。
 しばしば買い手のご好意に甘えるのもよいのは、こういう背景があるのだと思います。

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