2011/05/01

試練に立ち向かった2人

 NHK ETV特集で、浅野史郎氏と村木厚子氏の対談「二人の”チャレンジド”」を放送していました。このおふたり、ちょうど時を同じくしてガン(白血病)とえん罪の試練にさらされることになります。お話を聞き、ふたりがそれぞれの試練に向き合う姿勢、挑戦には、大変感銘を受けました。
 とりわけ感心したのは、村木さんが大阪拘置所に勾留されている間のこと。彼女は無罪の身で拘置されていることにショックをうけながら、拘置所のさまざまな現状を観察し続けていました。そして、自ら取り組んできた仕事(障害者の雇用)と結びつけて、入所者としての体験を記憶し、入所施設についての考察を重ねていくのです。たとえば、拘置所の職員の態度に力づけられ、障害者施設の職員の取り組みについて考えます。差し入れられた小説に「さまざまな試練があっても、それをどう受け止めるかは、本人が選択できる」という主人公の言葉を見つけ、自らを励ましてきたのだそうです。また浅野さんらの励まし(「あきらめるな、正義は必ず勝つ」)も救いになったと述べていました。(拘置所の職員に「泣いてちゃだめよ、あなた検察と闘うんでしょ」と言われたというのには、驚き感心しました)
 思い出したのは、精神科医フランクルが、ナチの収容所で収容者の体験を記録していったことです。その人にしか与えられない試練にどう取り組むかで、キャリアの価値が問われるのですね。

 職場やプロジェクトの現場ではどうでしょうか。試練に直面し、部下や同僚が混乱してしまっていたら。上司として同僚としてどう関われるか。やはり、目標は本人が困難を受け止め、適切に対処することでしょう。たとえば、問題を拡大させないことです。カウンセリングでも、落ち込んでいる自分自身に動転しないように働きかけます。
 では、もっとも価値あるカレンシーは何か。それはその人によって異なりますが、誰にでも共通するのは、「信頼」ではないでしょうか?あなたは回復する、あなたの目標を達成すると信じている、ということ。そしてその言葉を信じるに値する態度。私自身、そうありたいと思いました。

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