2011/01/02

松下幸之助歴史館

 年末に松下幸之助歴史館を見学しました。松下氏について直接存ぜぬ世代。しかしコッターはじめ、世界が研究したリーダーにして、パナソニックの創業者です。私もいくつかの書籍とオーディオから氏の業績に触れさせていただいていますが、一度よく勉強したいものです。
 初めて訪ねて感動したのは2点。氏が昭和の初めには松下電器を事業部制にしたことと、綱領をはじめとする哲学です。最近、発展とは拡大、分裂だと考えていました。つまり、全体の部分が高度に専門化していくので、組織は分裂していく。たとえば、細胞も繰り返し分裂した結果生命体になります。自動車のような製品もそう。ダイムラーの1号車と比べれば、現在のハイブリッド車は高度な技術の部品が数万集積したものです。科学もそう。そして企業組織も事業部制にしてエンパワメントしていけば、組織の高度化は加速するはずです。
 しかし、高度に複雑化するほど、組織としての一体感をつくるのは難しい。一体感などいらないかもしれませんので、別の言い方をすればハイレベルの戦略を浸透するとか、ブランド価値を高めるという根拠が薄弱になりがちです。そこに綱領がある。現在でも毎朝朝礼で読まれ、自分の言葉で言い直す訓練をしているとは、さすが、というほかありません。こんなの当たり前、というかもしれませんが、そうそう80年も続けられることではないでしょう。
 ベートーベンは、よい音楽には遠心力と求心力が同時に働く、といったことを行っていました。分裂と中心化を同時に進めていたというのは、80年前から大きな歴史の流れに逆らわなかったんだろうと。

 とはいえ、1回訪ねて何がわかるだろうという奥深さ。歴史館を運営している方たちの視点も鋭い。勉強になります。また必ず訪ねます。

 明日は、成田山に初詣に参ります。1200年の歴史を感じてきたいものです。

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