2008/06/16

影響力とキャリア

 キャリア開発は、どなたでも多かれ少なかれ関心のあるところでしょう。
 今日、とある大手メーカーさんの人材開発部門に、キャリア開発研修を提案させていただきました。私の会社(インフルエンス・テクノロジーLLC.)の提案は、参加者がキャリアを仕事の経験、能力の蓄積のみならず、人間関係の発展で見ていこうというものです。
 これは言い換えると、影響力の法則で、キャリア開発を考えてみようというようなものです。
 若いときは、上司や先輩の指示や指導のもと経験を積んでいくのが、よく見られる能力開発の過程です。この方法は経験が少ないものが新しいことを学ぶ、効率的な一方法とみることができます。しかし、若者からすれば、自分よりも優秀でもやる気があるわけでもない年長者のご意見など、聞く気になれなかったりする。能力開発も容易ではありません。
 そこで、カレンシーの交換でこのような能力開発課程を検討しましょう。上司の指示のもと仕事をし結果を出すのは、実は上司にとって大きなカレンシーとなっています。「いうことを聞く×自分が求める結果が出る」だからです。このくり返しにレシプロシティが働き、上司に「いつかこいつのために機会を与えよう」などと思わせているのだと考えられます。そう思わせた部下が、新しい経験や昇進の機会などを得られるというわけです。ですから、指示や指導にしたがって努力することには、少なからず価値があるのです。今日何名かの方に、キャリアの中での大きなできごとをうかがったところ、上司や先輩からしごかれたり、厳しくしつけられたこと、があげられました。キャリアの発達に、カレンシーの交換の視点は欠かせないと思います。
 もっとも、すべての上司に同じようにレシプロシティが働かないところが、悩ましいところ。上司の中には「教えてやっている」と思う人もいますから。その場合、部下はなるべく早くカレンシーを返す。たとえば、教わったら即座に心からお礼を述べる、などが必要ですね。

0 件のコメント: