2008/09/17

麻生氏で決まりか

 前回からなんと2週間以上もたってしまいました。なにごとも、ちょっと油断すると時間が流れるのは早い・・・
 さて、前回からの続きのトピックでいうと、自民党の総裁選挙でしょう。(ちょっとこじつけ)一昨日の読売、今日の朝日と各紙は「麻生氏が過半数」と分析しています。過去に何度も挑戦した人が、この選挙に勝つ、という形は、小泉元首相を思い出しますね。
 麻生氏のことを存じているわけではありませんが、以前彼の部下だった方の話しを聞いたことがあります。麻生グループには数千人の社員がいるが、麻生太郎氏はすべての従業員の顔と名前が一致するのだそうです。その方によると、すれ違いざまに「よっ、今日奥さんの誕生日だったよな」とか言われて(このような言い方かどうかは不明)、部下たちはみなじーんと来てしまうのだそうです。そして、太郎さんのためにがんばろうと。なんという、(美しい)カレンシーの交換か!こんなこと誰にでもできるわけではないでしょう。少なくとも、従業員を大事にしていなければできないですね。部下はそう感じるから、これは大きなカレンシーになります。
 私はなんとなくジョージ・W・ブッシュ米国大統領と似ている気がします。あのマンガの話しとかが、なんとなく。多くの若者にとって、「総理大臣がマンガ読んでる」のは、大きな救いでしょう。他の大人がマンガなんか読むな、といっても「総理も読んでますよ」と言える。これはもっと大きなカレンシーかもしれないな。

2008/09/02

首相の辞任

 福田首相が辞任しました。これしかなかったのだろうな、と感じました。次の選挙は麻生さんでと決めていたと思いますし、あとはタイミング。一部の報道で見られるとおり、早く総選挙をしたい公明党に配慮したのではないでしょうか。勝手な推測に過ぎませんが・・・
 首相のような仕事でも、周りを動かしていくのは難しいと、あらためて感じました。ポジションだけでは人を動かせない。また一事例を見たというわけです。
 長く仕事をしていれば、色々なところに貸し借りができる。カレンシーの交換です。交換が影響力になっているというのが、影響力の法則の基本概念です。ですから、首相のようなポジションで人を動かすには、そうとうあちらこちらに貸しを作っている必要がある。これまでそういう人が選ばれてきたのでしょう。ただ問題は、貸しがあるということは少なからず借りもある。しがらみですね。それゆえ、逆に思うようにならないことが少なくありません。小泉、安倍、福田の三氏の特徴は、この貸し借りが少ないことだったのではないかと思います。それぞれ閣僚経験はあったかもしれないけれども、どちらかといえば、孤高の人たちなんじゃないでしょうか。柔道の石井選手の言い方にならえば純粋ということです。だから、孤立しがち。これまでの大物、たとえば竹下派6奉行(だったかな)のようなしがらみだらけとはちょっと違う。だからこそできたこともある。郵政や道路の民営化とか。一方そのためにできなかったことも少なくないはず。協力者が少ないのだから。大連立に失敗した時点で、辞任は当然の帰結なのではないでしょうか。
 この辞任を国民がどう見るか。マイナスのカレンシーと受け止めれば、だれが総裁になっても苦戦は必至。組閣次第では、マイナスのカレンシーと受け止められないかも。この大逆転に掛けているんじゃないかな。すべて推測ではありますが。いずれにせよ、この後の景気後退をうまく乗り切るリーダーシップを発揮してほしいですね。

2008/08/30

大学でも・・・

 大学のような研究機関でも、上司だからといって部下を動かせるとは限らない状況のようです。学術的な領域では、わかい准教授や助教の方が知識がある。「知っている教授 知らない若い研究者」という前提はくずれていると。これは私たちの恩師からうかがったお話です。現代共通の課題のようです。だとすると、研究、教育とも組織的な力を十分に発揮するのは容易ではないですね。
 こうなると、教授にも、若い研究者にも影響力の法則が必要でしょう。若手には自分を活かすために、教授にはリーダーシップを発揮するために。現実はどうでしょうか。

2008/08/24

グローバルな視点 2

 前回のプロジェクトマネジャー(仮にAさんとしましょう)の見方の変化について、ですね。この方、上司の事業部長がとても教育熱心です。ですから、もっとグローバルな視点をもて、と常日頃言われています。グローバルな視点、といっても、どうやら具体的に手を取り足を取り教えてくれるわけではない。「もっと考えろ」というわけです。Aさん自身も、頭では分かります。しかし、いざとなると自分の担当分野だけしか考えなくなる。そうしてアウトプットしたものは突き返される、というくり返しだそうです。
 こうやって、より高い視点でものを見て、考える習慣が身に付くのだと思います。私たちどうしても自分の利益を考える。しかし、より高い視点で全体に目を配ると、他を優先させた方が全体的な目標達成になるような場合もあります。そんなときは、自分の利益を犠牲にしてでも、他を手伝うかもしれない。仕事の仕方が変わるわけです。ただし、これはリスクが大きいですよね。自分の目標が達成できないかもしれない。このリスクを乗り越えられるかどうかが、実は上司が期待していることだと思うのです。
 このようなリスクを冒す姿を見て、他のメンバーがAさんを助けてくれるようになる、つまりカレンシーを渡しているので、返したくなるかもしれない。この積み重ねがどうかを、上司は見ているはずです。Aさんの場合は、グローバルな視点に立脚した行動がとれるかどうか、ご本人のチャレンジだと思いました。この先社内外で影響力を高められるかどうかが、かかっているのに違いありません。