2011/02/20

繁栄のワケは

 マット・リドレーの『繁栄』(早川書房)をようやく読み終わりました。読み始めてから途中身内の病気やらなんやらで、2ヶ月近くかかってしまった。この本読み始めたのは、「繁栄の決め手は交換」という世界観で、生物学者が何と書くか興味があったから。もちろんおもしろかった。
 人間だけがなぜ飛躍的な繁栄を遂げたのか、というのが本書のテーマ。簡単に言えば、他の動物も交換するが、人間だけが他の物を交換できる。たとえば、他の動物や虫さえも同じ餌を交換する。しかし人間は食物と衣類を交換したり、ここに貨幣が入ってきたりして、格段に複雑な交換ができるようになった。その結果分業が進み、圧倒的に効率よい生活が送れる湯尾になった。さらに、アイデアの交換によって様々な問題を解決することができたのだというわけ。この「他の物を交換できるようになった」というのがおもしろいところです。同じぐらいの価値の交換を可能にする、信用取引ができるようになったのだから。もっとも、これには試行錯誤があるわけですね。よいときばかりではない。でも歴史をたどると大きな困難に直面し一時的に人口が減っても、人類は問題を解決してきただろう、という展開です。
 私の関心は、分業が進んで複雑になると人は互いにわかり合えなくなるというジレンマを、影響力の法則で乗り越えようというところにあります。よって、その歴史的な裏付けがとれたような感じ。ますます影響力のテーマに取り組もうと意欲満々です。
 来週は、製品開発などに関わるある役割のみなさんに対して、影響力の1日セミナーを実施してきます。ここでも参加者のみなさんの影響力が高まれば、組織の困難を乗り越え組織は複雑さに耐え、より発展していくでしょう。

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