2009/03/23

人も羨む仕事?

 先日、ある先生方のセミナーに臨みました。いわゆる”士業”のかたです。たぶん、年収も8ケタ。人が聞いたら「良いお仕事ですね」といわれるでしょう。実際にお会いしたみなさんは、立派な方達ばかりでした。
 彼らの仕事も、基本的にはプロジェクトです。その都度、自分よりも経験の少ない同僚とチームを組んで、お客先へ乗り込みます。このあたりはIT系のプロマネのみなさんと共通です。違いは、クライエントから「先生」と呼ばれることぐらいでしょう・・・・
 ただし、彼らもラクではありません。チームメンバーは、頻繁に入れ替わります。また、メンバーも先生ですから、おそらく「いつでも辞めてやる」態勢でしょう。扱いにくいに違いありません。多くのみなさんが苦労していました。メンバーが働かない苦労では、IT業界と同じか、ちょっと大変かも。こういう現場にこそ、影響力の法則は必要なのです。
 今回お会いした先生方の中で力を発揮している人は、ひとことで言えば、覚悟できている、という印象でした。よい職業ほど、その専門性に固執したくなります。たとえば、20世紀アメリカ文学の研究者なら、ずっとそれをやっていたい。プロ野球のスターなら、引退したくない。しかし、現実世界はそれを許しません。経験を積んだ者は、組織のリーダー、若手の教育者の役割を期待されることが多いものです。「学部長に」「コーチに」と求められます。そのときに、専門家としての役割に見切りをつけて、リーダー、育成者としての役割を受け入れるかどうか。これはなかなか難しいチャレンジですが、結果的に仕事の成果をあげていくうえでは、逃げられない現実なのではないでしょうか。
 この現実と向き合うことが、影響力の前提になるように思います。

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