福田首相が辞任しました。これしかなかったのだろうな、と感じました。次の選挙は麻生さんでと決めていたと思いますし、あとはタイミング。一部の報道で見られるとおり、早く総選挙をしたい公明党に配慮したのではないでしょうか。勝手な推測に過ぎませんが・・・
首相のような仕事でも、周りを動かしていくのは難しいと、あらためて感じました。ポジションだけでは人を動かせない。また一事例を見たというわけです。
長く仕事をしていれば、色々なところに貸し借りができる。カレンシーの交換です。交換が影響力になっているというのが、影響力の法則の基本概念です。ですから、首相のようなポジションで人を動かすには、そうとうあちらこちらに貸しを作っている必要がある。これまでそういう人が選ばれてきたのでしょう。ただ問題は、貸しがあるということは少なからず借りもある。しがらみですね。それゆえ、逆に思うようにならないことが少なくありません。小泉、安倍、福田の三氏の特徴は、この貸し借りが少ないことだったのではないかと思います。それぞれ閣僚経験はあったかもしれないけれども、どちらかといえば、孤高の人たちなんじゃないでしょうか。柔道の石井選手の言い方にならえば純粋ということです。だから、孤立しがち。これまでの大物、たとえば竹下派6奉行(だったかな)のようなしがらみだらけとはちょっと違う。だからこそできたこともある。郵政や道路の民営化とか。一方そのためにできなかったことも少なくないはず。協力者が少ないのだから。大連立に失敗した時点で、辞任は当然の帰結なのではないでしょうか。
この辞任を国民がどう見るか。マイナスのカレンシーと受け止めれば、だれが総裁になっても苦戦は必至。組閣次第では、マイナスのカレンシーと受け止められないかも。この大逆転に掛けているんじゃないかな。すべて推測ではありますが。いずれにせよ、この後の景気後退をうまく乗り切るリーダーシップを発揮してほしいですね。
2008/09/02
2008/08/30
大学でも・・・
大学のような研究機関でも、上司だからといって部下を動かせるとは限らない状況のようです。学術的な領域では、わかい准教授や助教の方が知識がある。「知っている教授 知らない若い研究者」という前提はくずれていると。これは私たちの恩師からうかがったお話です。現代共通の課題のようです。だとすると、研究、教育とも組織的な力を十分に発揮するのは容易ではないですね。
こうなると、教授にも、若い研究者にも影響力の法則が必要でしょう。若手には自分を活かすために、教授にはリーダーシップを発揮するために。現実はどうでしょうか。
こうなると、教授にも、若い研究者にも影響力の法則が必要でしょう。若手には自分を活かすために、教授にはリーダーシップを発揮するために。現実はどうでしょうか。
2008/08/24
グローバルな視点 2
前回のプロジェクトマネジャー(仮にAさんとしましょう)の見方の変化について、ですね。この方、上司の事業部長がとても教育熱心です。ですから、もっとグローバルな視点をもて、と常日頃言われています。グローバルな視点、といっても、どうやら具体的に手を取り足を取り教えてくれるわけではない。「もっと考えろ」というわけです。Aさん自身も、頭では分かります。しかし、いざとなると自分の担当分野だけしか考えなくなる。そうしてアウトプットしたものは突き返される、というくり返しだそうです。
こうやって、より高い視点でものを見て、考える習慣が身に付くのだと思います。私たちどうしても自分の利益を考える。しかし、より高い視点で全体に目を配ると、他を優先させた方が全体的な目標達成になるような場合もあります。そんなときは、自分の利益を犠牲にしてでも、他を手伝うかもしれない。仕事の仕方が変わるわけです。ただし、これはリスクが大きいですよね。自分の目標が達成できないかもしれない。このリスクを乗り越えられるかどうかが、実は上司が期待していることだと思うのです。
このようなリスクを冒す姿を見て、他のメンバーがAさんを助けてくれるようになる、つまりカレンシーを渡しているので、返したくなるかもしれない。この積み重ねがどうかを、上司は見ているはずです。Aさんの場合は、グローバルな視点に立脚した行動がとれるかどうか、ご本人のチャレンジだと思いました。この先社内外で影響力を高められるかどうかが、かかっているのに違いありません。
こうやって、より高い視点でものを見て、考える習慣が身に付くのだと思います。私たちどうしても自分の利益を考える。しかし、より高い視点で全体に目を配ると、他を優先させた方が全体的な目標達成になるような場合もあります。そんなときは、自分の利益を犠牲にしてでも、他を手伝うかもしれない。仕事の仕方が変わるわけです。ただし、これはリスクが大きいですよね。自分の目標が達成できないかもしれない。このリスクを乗り越えられるかどうかが、実は上司が期待していることだと思うのです。
このようなリスクを冒す姿を見て、他のメンバーがAさんを助けてくれるようになる、つまりカレンシーを渡しているので、返したくなるかもしれない。この積み重ねがどうかを、上司は見ているはずです。Aさんの場合は、グローバルな視点に立脚した行動がとれるかどうか、ご本人のチャレンジだと思いました。この先社内外で影響力を高められるかどうかが、かかっているのに違いありません。
2008/08/23
グローバルな視点 1
「影響力の法則セミナー」に参加された方のフォローアップのために、静岡までうかがいました。たまたま事業所が近所のかたが参加されていたのです。おふたりはエレクトロニクスメーカーと精密機器メーカーのプロジェクトマネジャーです。それぞれ学んだことを試行錯誤されたり、無意識に実践していたり、それなりに成果があったと手応えを感じました。
おふたりのうちおひとりは、海外の拠点の品質管理のレベルを日本並みにすることが課題です。ところが、買収した海外企業の、プライド高い技術者は、いくら本社のマネジャーだからといって真剣に話しを聞くとは限りません。そこで、カレンシーの交換を意識されたのだそうです。「何を渡そうか、何を返そうか」と。相手がカレンシーと感じれば、こちらの期待に応えてくれる可能性も高まります。結局どうしたかというと、先方に役立つだろう手法とアイデアをフリップチャートに書き、部下に英訳させて説明したのです。これが効きました。「話しは聞くが何もしない」と思われていた「日本人マネジャー」。しかし、彼は他とは違うところを示したのです。話の途中から真剣みが高まり、最後には耳を傾けてくれるようになったのだそうです。相手の立場に立つことは必ずしも容易ではない。しかし真剣に考えれば、相手も動いてくれる。この発見こそ多くの悩めるリーダーにとって、大きな成果ではないでしょうか。
この方、仕事に対する見方が大きく変化しているように感じました。次回続けましょう。
おふたりのうちおひとりは、海外の拠点の品質管理のレベルを日本並みにすることが課題です。ところが、買収した海外企業の、プライド高い技術者は、いくら本社のマネジャーだからといって真剣に話しを聞くとは限りません。そこで、カレンシーの交換を意識されたのだそうです。「何を渡そうか、何を返そうか」と。相手がカレンシーと感じれば、こちらの期待に応えてくれる可能性も高まります。結局どうしたかというと、先方に役立つだろう手法とアイデアをフリップチャートに書き、部下に英訳させて説明したのです。これが効きました。「話しは聞くが何もしない」と思われていた「日本人マネジャー」。しかし、彼は他とは違うところを示したのです。話の途中から真剣みが高まり、最後には耳を傾けてくれるようになったのだそうです。相手の立場に立つことは必ずしも容易ではない。しかし真剣に考えれば、相手も動いてくれる。この発見こそ多くの悩めるリーダーにとって、大きな成果ではないでしょうか。
この方、仕事に対する見方が大きく変化しているように感じました。次回続けましょう。
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