2009/12/29

勝間和代本1

 勝間和代さんの書籍を初めて読みました。今月発売の『やればできる―まわりの人と夢をかなえあう4つの力』(ダイヤモンド社)。分量、易しさが、札幌からの帰りの便、機内で読むのにちょうど良かった。

 内容はいいお話しです。勝間和代の著作にはレシプロシティの原則に従え、と示唆されています。本書では一人で抱えていては夢は叶わない、まわりを巻き込もう、という主旨のメッセージが、4ステップで説明されており、わかりやすいですね。読者に実行を後押しする著者の意気込みもかんじます。

 私が注目したのは、この著作のなかでお世話になった人の名前がどんどん出てくること。そうやって、読者を別の情報に誘うのは読者にも有益ですし、恩返しにもなる。知識の循環を促進する著者の意図にかなっていて、さすがですね。この本自体がレシプロシティに沿っているというわけです。

2009/12/18

企業研究

 再び就職氷河期に突入しています。学生はあたふたし、企業研究と自己分析に時間を費やしています。あせるほど、何をしていいかわからない。とりあえずウェブサイトをさまよっている。そんな感じの学生もいるでしょう。
 私は就職活動のため学業がおろそかになっている現状を、憂いています。学校の勉強など役に立たない、といえばその通りかもしれません。しかし何かに打ち込む機会を失っているのは、若者にとって望ましくない。社会全体で現状の打破を考えていきたいところです。

 その企業研究ですが、あまり熱心に時間を費やすのはいかがなものでしょう。卒業生に会うとかそれ自体は結構ですが、自分が採用担当者なら必ずしも好ましく感じないと思います。なぜなら、1相手を研究するのは相手を選べる状況においてであるが、現状は選べる状況にない 2情報を丹念に集めるのは、やり過ぎるとリスク回避になってしまう。

 このご時世、リスクを避ける態度は好まれないんじゃないか。それより自分を使ってください、なんでもします、という姿勢こそ相手が求めるところだろうと感じます。そういう若者は採用されたことに感謝し、パフォーマンスを発揮する、と企業サイドは受け止めるに違いありません。ここにもレシプロシティが働いています。

 いずれにせよ、学生の未来をみんなで応援しましょう!

2009/11/25

40代の決意

 研修で40代の参加者のみなさんとお話ししました。この研修のねらいは、40代半ばのみなさんが、新たな方向性を見いだすことにあります。40-60代を元気にすごそうということ。もちろん影響力についても発見のポイントとなっています。同僚や上司を味方につけることが、いい仕事できるかどうかの分かれ目ですから。とくに次世代への影響力が、ミドル世代の課題。

 ある女性は、ご自身が子供たちをしかりながら育ててきたことを思い出されました。職場でも後輩、若手をしかる勇気をふるおうと述べていました。ある男性は自分はまだまだいける、後輩の支援よりももう一花咲かせる、と、また別の男性は、何年もとりまとめ役をやっており、自分は現役から離れたと思っていたが、吹っ切れた、と話されました。

 さて、ミドル世代ならではのカレンシーの交換は、これまでとなにが変わるでしょうか。

2009/11/22

映画 おくりびと

 アカデミー賞海外語作品賞受賞作「おくりびと」を、ようやく観ました。いいお話しですね。私が感銘を受けたのは、主人公が新しい、それも周囲が良く思わない仕事をしていく姿と、前職まで打ち込んできたチェロを弾く姿が重なっている部分です。仕事とは音楽を奏でるようにするものだ、人生は毎日の仕事の積み重ねだ、と感動したものです。

 その一方で、もう一つ物足りなさを感じたのも事実。主人公のまわりの人が、いい人過ぎるのかもしれません。出て行った妻は戻ってきてくれるし、友人は許してくれる、上司は個性的だけれども人間味にあふれている。主人公はこの体験を通じて成長しているにもかかわらず、地を這うような苦しみから得られた何かが、描かれていないからかもしれません。

 出て行くときに妻が言います。「これまであなたの言うようにしてきました。だから今度は私の言うことを聞いてください」でも主人公は、嫌だと言います。これだけカレンシーを受け取ってきて、何のお返しもしてないじゃないですか。そこが不自然な気がしたのだと思います。そういう意味では、最後に父を赦す。ここにむしろ西欧的なニュアンスを感じ、アカデミー賞受賞は納得できるね、と家では話していました。

 そうはいっても、美しい景色と人の優しさ。いつかまた観たくなる映画だと思います。

2009/11/21

安藤百福氏の偉業

 日経ビジネス陣文庫で、日清食品創業者安藤百福氏の「私の履歴書」を読みました。インスタントラーメンの発明者として有名な方です。根っからの起業家なんですね。戦前からいくつもの会社を興してきたのだそうです。その時々の総理大臣とネットワークがあったというのは、食品メーカーという控えめな業界のトップとしては意外な気がしたものの、たしかに国民の食を支えるというのは、重要な事業であり、実は国策でもあります。

 今日はその偉業に経緯を示すため、朝からカップヌードルを食してみました。実は夜も。キャリアエンパワメントでは、12月19日に安藤氏の起業家人生を討議したいと思っております。

2009/11/18

2009/11/07

沈まぬ太陽

 映画「沈まぬ太陽」を観ました。山崎豊子の原作が日航をモデルにしている、現実とかけ離れている、などなにかと話題の映画です。なにしろ、このタイミング。何らかの恣意を感じる人がいても仕方ないでしょうね。

 それはともかく、3時間半、途中休憩つきの映画を、最後まで楽しみました。主人公は会社から理不尽な扱いを受ける。「そんな事実はない」ともめている部分ですが、まあ、会社組織の中にいれば、多かれ少なかれぶつかる壁でしょう。信念を貫けば傷つく。迎合すればラクか、というと必ずしもそうではない、そんな不条理が描かれていて、それはそれでおもしろかった。

 もっと興味深かったのは、主人公が2度目のアフリカ勤務を命じられる最後の部分。心配する家族に対して、今度は心から行ってみたいんだ、と言う。この50代の心境の変化、心理的な成長に、ぐっと惹きつけられました。さらに、事故被害者の遺族に対して、「自分の苦しみはあなたの百万分の一にすぎないけれども、一度ぜひアフリカの大地を訪ねてください」と手紙に綴る。この勇気。加害者側にいる主人公が、被害者に対して「あなたはすでに救われているんです」と伝えるのは、相手に対する信頼抜きに考えられないことです。このカレンシーは、相手にどう伝わったでしょうか。

 そういう意味で、とても感動しました。

2009/11/01

前を見る

 先日ふと思い立って、研修に参加された方を訪ねました。ある小売りの現場で店長として活躍されている方です。私の姿を見て驚いていらっしゃいましたが、とても喜んでくださいました。

 研修はどうだったでしょうか?と尋ねたところ、生き方が変わったのだそうです。どう変わったのですか?と伺うと、これまでどうしても一緒に仕事をするのが嫌な人がいた。10年も我慢してきた。でも、研修で「好きにならなくて良い」と聞き、目から鱗が落ちるようだった。好きにならなくても、協力して目標を目指すのだ、と思うとラクになったのだと。仕事が楽しくなって、力も発揮できるようになったそうです。

 私たち、仕事仲間を好きにならなければならない、と考えますね。それで苦しんでいる人は少なくないようです。どうしても好きになれない。そんな自分を責める。気になって仕事に集中できない・・・。真面目な方ほど陥りやすい罠です。ではどうするか。相手の顔を見なければいいんです。その代わりにともに前を向く。そうすれば気にならないはずです。こう考えてみるのはどうでしょうか?

2009/10/22

大臣の発言

 前原国交相の発言が、その都度注目されていますね。八場ダムの建設中止、羽田の24時間化と内際一体化、北方領土など、相次いだ一方的な発言には,反発が少なくありません。私にも唐突、乱暴、と感じられるものでした。前原氏はもともとやや乱暴な言動をとるところがあります。中国に対する危険発言、靖国神社参拝に対する当時の小泉総理批判。今回は森田千葉県知事の攻撃に一夜で態度を変えたりして、これはご愛敬でしたが。

 さて、このような一方的な発言を、前原氏の性格の問題、と考えることもできるでしょう。でもここは別の見方を。ダム、空港など、多くの人の利害が絡んでいます。関係者はみんな泣いてきた人たち。マイナスのカレンシーをため込んでいます。同時にこれまでの方針のなかで、マイナスを埋め合わせるカレンシーも受け取ってきている。それでようやく帳尻が合おうとしているのに、新大臣がそれをチャラにしようとする。それには大反発です。
 これまで積み重ねたカレンシーの交換が複雑で大きなものですから、これに対する大臣としてはまともにぶつかっても変化を埋めないと感じているはず。大臣からすれば、選挙で(全部ではないものの)約束して、民主党が勝利しているわけですから、大臣側も国民とすでに大きなカレンシーの交換をしている。これは退けない。となると、さらに有権者の支持を得て対抗したいでしょう。そのためにも、単純でわかりやすい表現をしようと。相手が動揺して、弱みを見せれば一気に流れを加速できる。これは小泉元首相がとった方法です。

 こんなことじゃないかな、と想像しているんですが、個人的には毎晩頭上を飛ばれるようになるのは、まいったな。

2009/10/18

東京モーターショウ

 今日は幕張メッセの近くを通る機会があり、まもなくモーターショウなんだ、と気付きました。今年は出展者が少なく、寂しいショウといわれています。自工会主催の大会ゆえに日本勢の出展は当然としても、外国勢が・・・・。フォルクスワーゲンも、プジョーも、ヒュンダイもでないんです。出展するロータス、ケイターハム、アルピナ、なんて普通の人は知らないですよ。いずれも小さなスポーツカーメーカーですから。

 このような低調ぶりは、景気後退によるところが大きいのでしょう。しかし気になるのは、上海のショウにはむしろ規模が拡大しているのだそう。つまりここでも”ジャパンパッシング”が見られるのです。考えてみれば、日本市場自体が縮小しているうえに、もともと輸入車のシェアは数%しかないのです。戦時中から外国メーカーを締め出してきましたからね。対して中国は、いろいろな制限はあるにしても、外国車ばかり。欧州や韓国のメーカーが、「東京」に価値を感じなくったとしても仕方ないかな、と思います。

 外からの力を引き寄せないと、結局その市場自体が栄えない、その象徴にならないと良いのですが。ここでもレシプロシティは確実に働いていると思います。

2009/10/14

部下を働かせる

 NHKの新しい歴史番組を見る機会はほとんどありませんでしたが、今日は勝海舟の第二の人生、見ました。

 無血開城が46歳。部下たちの恨みを買っているでしょう。静岡へ都落ちです。その上俸給もろくに払えない。ひとつ間違えば、血気盛んな部下たちは江戸を攻撃しようとする。そんなことになれば、徳川家は取りつぶしです。

 そこで、勝海舟がとった手段は、久能山(東照宮がある)の警護に部下たちをあたらせる。彼らの徳川家への忠誠心を見抜いてのことです。私が感心したのは、このカレンシーが強力だったこと。半年間いくらかの俸給を払いながら平穏な久能山を守らせる。部下たちは、これで何かしないわけにはいかなくなる。そこで、自ら新しい土地を開墾させてくれと願い出て、それがお茶の産地牧ノ原台地になったのだそうです。

 相手にとって、何がカレンシーになるか、よく見抜かねば。そのためにも、相手を理解することが何より大事です。海舟は、人心掌握術を掴んでいた、言い換えれば、カレンシーの的を確実にねらうことができていたんですね。結果を出す、というのはこういうことだとつくづく思いました。

 一般的には、自分のいいところを見せようとしたりしてしまう。己を戒めなければと改めて思います。

2009/10/13

新監督

 私は1974年ごろから広島カープのファンです。一時は強い時期があったものの、この20年近く優勝しておらず、ファンとしては残念な思いをしています。今年は新球場で、と期待したのですが、結果は5位で大いに落胆。

 カープはなぜ弱くなったか。私にはわかりません。でも感じることは、選手一人一人が自分のプレーに精一杯で、チームとして闘うまでいっていないこと。強いチームは、巨人しかり、日本ハムしかり、チームとしてプレーしていると感じます。だからプレーが泥臭い。泥臭いプレーに膝を打つ。弱いチームでも選手は一流です。プレーは美しい。しかし美しい分だけ、チームより自分になっているんじゃないか、なんて、知りもしないのに勝手に考えています。
 対照的に今年躍進したのは楽天イーグルス。これも見てもいないのに、成長したな、などと思うのは、野村監督の勝つ野球が浸透してきたに違いない、と想像させるから。実は、カープも強かったときは野村の教えを受けたといわれる古葉監督、が、野村に影響を与えた(といわれる)ブレーザーヘッドコーチとともに采配をふるっていました。勝つことをイメージさせ、そのための戦略を浸透させるのは、優れたリーダーの影響力のたまものでしょう。
 この差はビジネスにも通じるかな、どうでしょうか?

 カープには来年野村ちがいの野村謙二郎が監督として来るといわれています。逆にカープを去ったブラウンが楽天の監督になるとも。両監督には、きれいなプレーよりも、勝利への執着を見せてほしいものです。

 来年もカープを応援すると思います。

2009/10/11

LGの躍進

 「日経ビジネス」誌今週号に、LG電子の躍進について書かれていました。
 韓国といったらサムスンですが、LGも4兆円近い売り上げを誇る企業。携帯電話では世界第3位。日本の全メーカーの出荷台数を遙かに上回っているんですね。日本では今年からその携帯電話に本腰を入れているようです。たしかに電車でもLG一色の広告を見たような気がします。東京にデザインセンターまで構えているというのは驚きです。
 印象的なのは、販売店の優秀成績者を本社に案内し、歓待するという話し。花火まで打ち上げてくれて“苦笑”する参加者が、それでも「もっと売らなくては」と思ったというくだりには、私が苦笑してしまいました。この古典的なインセンティブ、単純なカレンシーは、やはり効くんですね。

 ビジネスで考えれば、これほど真剣かつ謙虚に消費者の要求に素直であれば、その見返りもやがて大きくなるに違いありません。

2009/10/10

ノーベル平和賞

 アメリカのバラク・オバマ大統領が今年のノーベル平和賞を受賞しました。さしたる実績がない大統領が、そのメッセージだけでノーベル賞をとったことには、奇異な印象を受けます。大統領自身が述べていたように、平和賞は期待を意味するのでもありましょう。アメリカが動いたために、各国が核軍縮に同意する(先月の国連安保理決議)、その影響力の大きさにも驚きます。

 一方、今朝の報道を見ると、大統領自身は思わぬ受賞に神妙な面持ちでしたね。「謙虚に受け止める」といった趣旨のことを述べていたと思います。受賞者の弁、という印象ではありませんでした。ノーベル平和賞というカレンシーを受け取ってしまった大統領が、それにふさわしい行動をとらなければ(つまり適切な「カレンシーの交換」をしなければ)、世界の失望を招く。その怖さはご本人がもっとも感じておられるのでしょう。当面、アフガニスタンへの対応で苦しまれるのではないでしょうか。

2009/10/09

企業統合と交換

 M&Aのセミナーに参加した妻から、多くのM&Aが失敗するのは統合したところで「終わった」と安心してしまい、効果を生むまでやりとげないからなのだそう、と聞き、なるほど、と思いました。
 カレンシーの交換は、相手が動くだけでなく、本来の目的を達するまで続けなければなりません。さらに、またおつきあいが続くのですから、終わりはここ、と簡単に言えないのです。
 やはり目標設定は、重要ですね。

(台風一過の青空です)

2009/10/06

自然に生かされて

 ひさしぶりにNHK「プロフェッショナル」を観たら、よかったなあ。酪農家、三友盛行さん。
 最後の「プロフェッショナルとは?」との問いに、「生きて、生かされていることを感じて、そこから創造すること」というようなことをおっしゃっていました。自信と謙虚さ、そこからにじむような努力。ここには、レシプロシティにつながる哲学があると思います。
 この酪農プロフェッショナルが「農民」といっていたところに、自分はなんと入れるのかが、問われていと感じました。
 

1ヶ月たって

 1ヶ月もご無沙汰いたしました。

 この間、新政権が始まり世の中賑やかになっている気がします。個人的には、研修の運営であっという間に1ヶ月が過ぎ、また先週からは大学の授業も始まる、といった状況です。おかげさまで、忙しくさせていただいています。

 大学のことをお話しすると、過去2年後期は40-50名程度の履修者数でしたが、今年は定員一杯の70名。学生も世間の状況を理解しているのでしょう、1回目の授業から、前向きに取り組んでいる印象です。うれしいのは、キャンパスで出会う学生が「就職決まりましたよ」といってくれることです。私の授業が彼らの背中を押しているとしたら、少しは役立てているといっていいでしょう?また、学生による私の評価は、前年を上回る好成績?でしたが、これがなぜかはまだ不明です。

(今日は台風が来ており、この夕日は一昨日のものです。秋でしょう?)

2009/09/01

新しい体制

 今日から9月です。多くの地域で学校が始まり、新しいスタートという時ですね。朝晩はすっかり秋の気候ですし。

 選挙は大方の予想通り民主党の圧勝となりました。このような大差のつく小選挙区制を導入したのは、自民党だったはず(正確には細川政権当時のこと。自民党は小選挙区に熱心だったと記憶しています。憲法改正がねらいだったんじゃなかったかな)。まさかこうなるとは思わなかったでしょう。諸行は無常なり、なんですね。

 民主党は国家戦略局をつくり、各省庁に国会議員を100名以上送り込む、という大胆な行動に出そうです。やはり政権が交代したからには、行政に変わっていただかなければ意味がない、というわけでしょう。個人的には、今まで力があるのに芽が出なかった役人とか、ゴマすりが苦手で主流から外され干されてきた官僚たちが、活き活きして力を発揮することを期待しています。私は敗者復活話が好きですから。

 とはいえ、これは大変なチャレンジです。最後は行政が仕事するのです。彼らを敵にまわしてしまえば、ほしい結果は得られなくなるでしょう。買収した会社の経営がうまくいかないこと、しばしばありますね。そういう親会社から派遣された経営者は、「こちらが上だ、言うことを聞け」という態度で乗り込むものです。そうすると、従業員が敵になってしまう。まずプライドの高い優秀な人が辞めてしまったりして、期待される組織のポテンシャルが下がる。同じようなことにならないといいですね。
 議員のみなさんには、ぜひ影響力を発揮して、官僚をうならせ、味方につけて、効率よく政権運営してほしいものです。役所のポテンシャルを更に引き出せれば、本当の変化が起こせるでしょう。そのためには、みなさんの身を切るような努力が必要なのだと思います。

 一方、3党連立も努力のしどころです。相手に無理難題を押しつけたいでしょうが、そこはいったん納めるのが大人の対応だと思います。相手に妥協させられたと感じさせれば、連立は4年続かないんじゃないかなあ。

 これは、企業の買収や提携からの類推で考えられますね。

2009/08/14

電気自動車

 三菱自動車工業の"iMiEV"という電気自動車を試乗する機会に恵まれました。iMiEVは三菱が長年研究を続け実用化し、おそらく世界でもっとも早く量産する電気自動車です。

 ベースとなっているのはiという軽自動車。しかしその乗り味は全く異なるもの。驚いたのは高級なタッチです。動力のエンジンので、振動はほとんどなし。ステアリングホイールにもエンジンの変位を感じることなし(オリジナルのiも後輪駆動ですからエンジンの振動は手に伝わらないですが)。
 そしてなにより加速感のよさ。タイムラグがなく、自動車というよりもゲームセンターのマシンのようです。また音が静かなのでスピード感が少ないのです。

 これでフル充電なら100キロ走るでしょう。

 これだけの製品を市場に出した三菱自動車には、敬意を表します。製品としてのまとまり感は、組織的な努力の賜物でしょう。リコール問題で苦労した皆さんが、危機感からシナジーを産み出したと言えるのかもしれません。

 ぜひ他社にも早く電気自動車を!と申したいです。

2009/08/02

夏の風景

 我が家の近くで見かけた夾竹桃です。

 今年は百日紅があまり咲いていません。この時期例年満開になっている百日紅並木で、咲いているのは2本だけ。それだけ涼しいのですね。

レポート

 先週は大学の前期最後の授業になりました。評価は、出席と期末レポートによります。レポートの課題は、「人生の先輩にキャリアを聞く」。今回も様々なキャリアが報告され、レポートした学生にとっても大きな学びがあったようです。

 どんなレポートを書いたのか、共有できると、なおいいのですが、インタビュワーと先輩の間には守秘義務があります。レポート以上の目的には使えません。ここを調整して、大学には冊子にしていただけるよう、お願いしました。

 先輩から受けてきた影響を、あらためて感じる良い機会です。みな良いレポートでしたが、なかでも良いものは、インタビューを通じて学んだことが明らかになっているものです。自分が受けてきた影響を理解していることは、インパクトがあると思いました。

 これは職場でも言えるのではないでしょうか。上司や同僚、部下から受けている影響を認識している人ほど、影響力が高い気がします。一例を言えば、上司からどんな指導を受けたかを克明に思い出せる方は、部下指導も上手です。

 この休暇期間に、これまで指導を受けてきた方たちのことを思い返すのはどうでしょうか。

2009/07/26

花火大会

 地元自治体の「納涼花火大会」が行われました。浦安の花火は自治体の規模としてはかなり大きいのではないでしょうか。6500発だそうです。そして今年は、うちの前で開催されるという、生涯一度あるかないかの貴重な体験です。

 考えてみれば、このような大きなイベントに影響力は欠かせません。自治体だけでなく、イベント屋さん、花火師(浦安は鍵屋)、地元自治会、観客など、すべての協力があってなり立つもの。関係者の努力なくして、成立しません。

 みなさん、ご苦労様でした。



 デジカメでベランダから撮った画は、横向きなので、ちょっと奇妙ですね。

2009/07/22

総理の謝罪

 とうとうというか、ようやくというか、衆議院が解散されましたね。自民党はもめにもめ、土壇場で分裂を回避した、という印象でしたが。

 そんななか、自民党総裁の「両院議員懇談会」での謝罪に注目しました。ここで結束しなければ、選挙の勝利はない、分裂にいたる、というところでしょう。支持率低下、地方選での連敗などに対して、総裁がどう思っているか、自民党員は知りたいはず。リーダーに私利私欲がある、と感じられたら、分裂避けられないでしょう。

 結論から言えば、総裁の「誠意」は、議員の先生方に伝わったようです。共に闘う、えいえいおーの雰囲気ができていました。受け取る側(諸先生)も分裂を避けるために必死ですから、何人かは絶叫していましたね。気合いでまとめる、ということでしょう。

 リーダーの謝罪は、ときとして大きなカレンシーになると思います。流れを変える。でも、なかなかできないんですよね。勇気がいります。上に立つほど難しい。自分の弱さを見せたくない。そのとき自分の理由で動いていることになる。

 でも、必要なときがある。今回は必要なときだったといえるでしょう。

 私の印象は、本気で謝罪したわけではないし、彼の本音は「私はこんなに一生懸命やっているのに・・・」というところでしょう。互いの不信感は残っていると感じました。握手したもの同士、互いの目を見ていませんでしたからね。

 それに比べると、民主党代表の方が、スキャンダルに直面しているにもかかわらず余裕を感じました。

2009/07/12

同窓会

Naruhide
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 2005年に慶応義塾大学のビジネススクール(KBS)でケースメソッド教授法を教わりました。高木晴夫先生と、竹内伸一先生による、MBA、Ph.Dコースの授業が公開されていたのです。昨日は、6回目の同窓会でした。

 ケースメソッド教育は、ビジネススクール、ロースクールではごく一般的な教授法です。参加者は事例がかかれた文書を読み込み、設問に答え、自分が当事者であったらどう判断するか、多角的に検討します。この繰り返しを経て、経営者としての判断力を養うのがケースメソッドの狙いです。私の専攻であるカウンセリングや心理療法でもケースカンファレンスが行われており、実は共通点があります。

 久しぶりにお会いした皆さんは、両先生を始めお元気でご活躍でした。印象的だったのは、以前は一方的に話しまくるかたがいたのですが、人の話をよく聞くようになられたこと。・・・・

 ・・・たった今電話いただいて話し込んでしまったのですが、人の話を聞くとそれが楽しいのだそうです。ああ、こんな考えもあるんだな、面白いなと。

 こうして影響を受けることが、人に対する影響力を高めます。仕事が楽しくなったというのは、実に理にかなっていると思いました。

 加えてこの方、とても若々しくなってしまったのです!!

(今回の会場だった、KBSのエグゼクティブ用のでディスカッションルーム。ここで討議できたたは!) 
Naruhide
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2009/07/09

お世話になったお店

 池袋時代、「マダム・シルク」ほどお世話になったお店はありません。ほぼ毎日そこにいました。なのに、ここしばらくなかなかうかがえず、残念だったのですが・・・

 私の授業の前の時間を担当している若い社会学者の先生が、私と同窓で、「マダム・シルク!知ってますよ」と、ふたりで盛り上がりました。学生が入れ替わりする休み時間の演壇の上で。それで、ああ、いってみたいな、と、この1週間で結局2回うかがいました。

 学生時代のことを思い出すと、いかにおもしろい話をして大人に飲ませてもらえるか、がひとつのチャレンジでしたね。学生はこう考えている、自分はこう思う、といった話で、半日過ごす。それで、ほとんど支払わずにお酒が飲める、なんてカレンシーの交換は、学生だったからこそ。

 考えてみると、もうちょっと頻繁に通って、今度は若者の話を楽しませてもらって、恩返ししなければいけないよな。

 というわけで、また近くうかがうことにしました。

 やっぱり、頭の中がデフラグできる、理屈抜きでめちゃくちゃいい店です。

2009/07/06

うれしい知らせ

 今日また学生から就職内定の知らせが届きました。

 うれしかったのは、この学生が、就職活動を通じて社会人への尊敬が増した、多くの人の支えを感じられた、と述べている点です。特に、人の支えを感じられたから、少しでもまわりの人の役に立ちたい、と書かれていて、涙が出るほどうれしかった。

 私たち、学んできた知識も、食物を食べて成り立たせているこの体も、外から入ってきたものでできているのですから、公共物といっていい。公共物を占有することなく、みんなで使うのは、正しい思考です。

 自分自身こそ最大のカレンシーです。自分を生かせるかどうかは、これから人々との間の信頼関係を築けるかどうかです。人が安心して使ってくれなければなりませんから。

 この学生も、良い社会人となるでしょう。

2009/07/05

安息日


 ユダヤ教徒のみなさんには、安息日があると聞いています。聞いています、というのは、彼らが本当に忠実に安息日を送っているところを見たことがないので・・・私の知るユダヤ教徒のおふたりも、日曜日にメールが返ってきます。

 それはともかく今日は休ませてもらうことにしました。まず、早朝成田山の護摩修行にお参りし、そのあとはひたすら脱力。TSUTAYAでコメディを借りてきて2本観ました。そのうちのひとつは、"Analyze this"。マフィアの親分が抑鬱症で意思決定ができなくなり、精神分析医にかかるというもの。10年ぐらい前の作品でしょう。以前観た記憶があります。全編笑えますが、イタリア人たちのなかで、分析医だけがユダヤ人だというのが、ステレオタイプですね。(私もニューヨークでユダヤ人の著名なセラピストの方にカウンセリングを教わったことがあります)

 この最後のシーンが印象的。投獄されている親分から、そのお返しに至れり尽くせりのサービスがある。たとえば、バンドが家に来ている。生のバンドで新婚の精神分析医夫婦は踊るのです。バンドリーダーのひとこと「彼から何でもやってくれと頼まれていますから」。

 いやー、これは大きなカレンシー。受け取れば、マフィアファミリーとの絆を深めることになる。断れば「俺の酒が飲めないのか」状態。どちらもリスクを伴います。

 どうしたものか・・・。悩ましいですね。

 しかし、ここは腹をくくるしかないでしょう。どちらにせよ、血を流さずに解決できることなどないんです。受けてももちろん、仮に断ったとしてもカレンシーが交換されるというわけです。人生にはそういう時期があるんだと、年々痛感します。

 結局日本人の私に安息日はなかった、というわけです。

(写真は成田山参道、正門前でみつけた、インド料理店の看板(緑色部分)。インド人はこんなにしたたか。)

2009/06/25

職業選択の本筋

 昨日はいくつもの内定をもらっているけれども、どこにしたものか、と迷っている学生と面談しました。本人も「贅沢な悩み」といっていましたが、それでもこういうプロセスをへて、「自分で決めた」責任を負っていくのは、人生の中でとても意味あることだと思います。

 このご時世で「すべて受かる」のは、たいした若者。授業中からわかります。反応が違いますから。それはともかく、実は本当にやりたい仕事があるのだそう。だったら、そこにまっしぐらになるような職業選択が望ましい、というのが私のアドバイスでした。

 調子づいて、義理を欠くとやがて信頼を失う。若いからと甘えていると、いつまでもそれなりの扱いしか受けない。つまり、つまらないカレンシーをもらってしまうだけ。

 彼女には、まっすぐ誠実に突き進んでほしいと思いました。それにはリスクが伴いますが、リスクのない人生なんかあり得ないんですから。きっと大丈夫!

2009/06/21

紀伊國屋書店でライブトーク

 一昨日、紀伊國屋書店大手町ビル店で、お昼休みのライブトークをやらせていただきました。「続・影響力の法則」のプロモーション活動の一環です。紀伊國屋書店さんは全国の各店で「影響力の法則」を売っていただいています。そんななか、大手町ビル店は、金融機関、メディア、コンサルティングファームなど、最先端のセンスをお持ちのお客様が多いとか。ビル1階の店舗は、明るく広々しており、ゆっくり本を探せる印象。ここでヒットしたら、うれしいですよね。

 トーク自体は、いい感じで進んだんですが、最後の最後で予定にないことを言おうとして、とちりました。どうかお許しを。

 勝間和代さんらそうそうたるベストセラー作家の写真と並べていただいたり、ちょっとうれしい思いもさせていただきました。

 萩原店長はじめ、みなさんありがとうございました!貴店のますますのご発展を祈ります!

2009/06/19

三方原の馬鈴薯

 浜松の森さんから、この夏もジャガイモが届きました。浜松は私の最初の赴任地。近所で工務店の傍らクリーニング店を営んでいたのが森さんです。男所帯でしたから、ほぼ毎日シャツの洗濯をお願いしていました。そのうちに飲みにいく店も共通と知り、とても親しくなりました。私と私の同期の久保田くんは、ご家族皆さんにかわいがっていただいたのです。

 それから21年。こうして欠かすことなく季節の楽しみを贈ってくださり、私は白隠正宗を送っています。

 この季節になると、青春時代の日々を思い出せる。今日はそういう日でした。

 そうだ、今度友人夫妻が遊びに来るとき、これでサブジをつくろう!


Naruhide
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2009/05/24

前大統領の死

 韓国の前大統領盧武鉉氏が自殺しました。収賄について検察から厳しい取り締まりを受けていたそうですね。過去にも韓国大統領は任期を終えると厳しい追及を受ける、と新聞にありました。
 これは興味深いです。要職に就いていれば、多くのことは好きなようにできる。といっても限度はあるでしょうが、少なくとも人が集まってくるし、支持してくれれば、何かお返ししなければならないのは、レシプロシティの働きそのものです。激しいカレンシーの交換が起こるのは間違いありません。でも、それが突然途絶えたら・・・。

 まず起こるのは、人が退きますよね。誰もいなくなってしまう。よくきくのは定年退職したとたん、年賀状が来ないとか。与党が野党に転落したとたん、ばらばらになったり。何も受け取れないと思うと、何も渡さないということになるんでしょうね。
 もうひとつは、これまで交換できなかった、利権を得られなかった人たちが、仕返しすること。カレンシーの交換のチャンスすら与えられなかったのは、それ自体がマイナスのカレンシーになりますよ。マイナスを蓄積すれば、そのエネルギーは爆発しても不思議ないです。

 今回の事件は、そのような背景があると感じます。私は人が権力に縛られる理由のひとつではないかと思いますが、どうでしょうか。

2009/05/22

「続・影響力の法則」本日発売されました!


 今日は午後、丸善丸の内本店、紀伊國屋書店新宿サザンテラスにうかがい、ご挨拶してきました。「影響力の法則」を数多く売っていただいた両店への、表敬訪問です。ありがたいです。今度も多くのかたの手に届きますように!
 それにしても平積みされている本を見ると、元気になれます。

 今日は、朝、昼、午後、夜が独立した1日のように感じられる、長い1日でした。
 夜は、フェリス女学院の学院長、岡野昌雄先生の新著「イエスはなぜわがままなのか」を読ませていただきました。
先生の信仰と、「自由」な精神に、少し触れられた気がします。いち教育者のまっすぐな生き方に感銘をうけました。教師はかくありたい、な。

2009/05/04

よい知らせ

 昨日学生から内定がでた、とのメールが届きました。この景況の中、就職活動の実態はどうなっているのか、と気をもんでいたので、飛び上がるほどうれしい知らせでした。思わず「やった!」と叫んでしまった・・・

 本人はとても力があり、学内外で実績のある女性ですから、本当は大丈夫だと思っていました。それでも何があるかわからない今日。心配していました。こちらの持っているものが、相手に伝わるかどうか。自分としてはベストを尽くすしかないです。決めるのは相手(会社)ですから。彼女に内定を出した企業は正しい、見る目があったと言うべきでしょう。

 この就職のチャンスを大事に、そしてあと1年の学生生活を有意義に過ごしてほしいものです。

2009/04/25

前言撤回

 逮捕された人気グループのメンバーに対し、総務大臣が「人間として最低の男」といい、翌日撤回しました。
 人間として最低、などという品のない言い方には、違和感を感じた人も多いでしょう。ご本人もそう感じたでしょうが、そういいたかった気持ちもわからないではありません。

 相手に対する期待が大きければ大きいほど、裏切られた、と感じたときの反動は大きいもの。「はらわたが煮えくり返る」といったのも、正直だなと思います。マイナスのカレンシーを受け取りました、ということです。たとえば、期待していた教え子が意にそぐわないことをしたとき、破門する教師。期待を裏切った部下を遠くに”飛ばす”上司など。けんか別れや、はたまた殺人につながる「裏切り」もマイナスのカレンシーの結果、と考えると、カレンシーのインパクトがおわかりいただけると思います。

 それにしても裸で騒ぐぐらい、たいしたことじゃないと思うんだけど・・・。期待していた人には大きかったんでしょうね

2009/04/23

いいひとの過ち

 人気グループのメンバー(34)が、都心の公園で真夜中全裸で大声をあげていたため、逮捕されました。

 私はこの記事見て、泣けてしまいました。1991年デビューって書いてあったから。ということは16歳から国民的スターをずっとやっているんでしょう?またメンバーの中でも、優男のイメージで売っていたので、その負担は大きかったはずです。うちの近所で撮影やっているの見ましたけど、テレビ通りのかたですね。
 ストレスためてるし、何かをきっかけとするアイデンティティの揺らぎも大きそう。よく堪えてきたよな。

 クスリをやってないのだから、大したことではないでしょう。私は周囲の方には寛容を求めたいです。
 ご本人には、早く復帰して、一皮むけて欲しいですね。

2009/04/22

「続・影響力の法則」

 「影響力の法則 現代組織を生き抜くバイブル」は、おかげさまでご好評をいただいてきました。その中でもAmazonは有力な書店です。この読者レビューも、気がつくと8人目の方が書いてくださっています。このかたの話は、本の趣旨からして的を射ています。趣旨が伝わったと思うとうれしいですね。
 5月の初めに、「続・影響力の法則」が刊行されます。また多くの方のお役に立てると期待しています。

2009/04/16

この季節、思い出すこと

 新入社員の季節です。「もう配属されましたよ」と卒業した学生からのメール。まだまだ研修が続く、という方もいるでしょう。みんな元気でよいスタートを切ってほしいものです。

 最近、ある方のことを思い出しました。私がアメリカ系企業で人事教育を担当していたときのこと。郊外の研修施設で3日ぐらいの集合研修を実施しました。この研修はすべての事業部の新入社員が集まるのですが、毎年ある事業部のトップが、ゲストスピーカーで呼ばれていました。その方のお話は、人事部門だけでなく若い新入社員にも人気がありました。

 いろいろな話をしてくれました。ハワイにバカンスに行ってもケータイは鳴る、とか「多忙で休めない話」やら、ご自身の事業への思いなど。なかでも印象的なのは、初任給が入ったら両親にプレゼントせよ、という話です。これだけ聞くと、なーんだ、と思うのですが、彼の話は何か心を打つものがありました。おそらくその席にいた若者たちのすべてがプレゼントしたでしょう。

 この親へのプレゼントには、どんな意味があるのか。私はこう考えました。デパートにプレゼントを買いに行くと、何を買おうかと思う。次いで、お母さんは、お父さんは、何を喜んでくれるだろう、と考える。でもすぐには思いつかない。どうしたって、両親との関係を考える。うるさい親だけど、お世話になった。ここまで育ててくれて、おかげで社会人になれた、と。きっといろいろな犠牲を払ってくれたんだと。こうして受けてきた愛情や恩を、社会に返していこう。必死でがんばって、恩を返すんだ、と。

 私、この恩返しのエネルギーは、モチベーション以上の力を持つのではないか、とかねがね思っています。お気づきのように、これはレシプロシティのなせるわざ。自分が相手から受け取っていると感じると、返したくなる。たくさん受け取ってきたと気づいたら、がんばって返さなければならなくなる。エネルギーを注げばおもしろくなる。お客さんの喜ぶ顔が、人生になる。事業部長が言いたかったことは、こんなところにあるのではないでしょうか。

 小林さんという事業部長のお話を最後に聞いたのは、もう8年も前のことです。でもずっと心に刻まれている。今度、若者たちに話そうと思っています。みんなどんな顔をしてきくだろうか。

2009/04/14

「天地人」の印象

 大河ドラマをみていると、もう第一四半期がとっくに終わってたんだ、とあらためて感じます。「天地人」、みている方はどう感じているでしょうか。

 私はカレンシー交換の事例を学べる、いいドラマだと思います。たとえば先週は上杉景勝が武田勝頼に金を差し出すことで、長年の宿敵と同盟を結び、窮地を脱しました。今週は上杉陰景虎の子息が殺され、それを景勝側の仕業と思い込んだ景虎が、景勝勢に一戦を挑みます。いずれもレシプロシティの力を強く感じます。本人は攻めたくない、でも「返そう」とする集団の力は、人の意志を凌駕することがある。だから、本物の「義」が必要だ、というお話と理解しています。この義を「愛」と読み直し説くのが、主人公直江兼継です。

 こんないいお話なのに、何か物足りないのは、兼継が最初から立派な若者だということでしょう。どこから、このようなプラスの連鎖が始まったのか・・・・。幼少の頃、行き場のない兼継を景勝が迎えにきてくれたことか?母の愛か。カレンシーの交換のスタートは、小さなやりとりかもしれませんが、その積み重ねで大きなエネルギーとなるものです。ところが、これでは生まれたときからすばらしい人、のようになってますね。そこが残念かな。

 いずれにしても、「義」「愛」を描く意欲作。もちろん毎回の放送分は、各回が「カレンシーの交換」の好事例集。ケーススタディにぴったりです。主人公役の妻夫木聡もこれから半年でどれぐらい成長するか、楽しみにしています。

2009/04/12

イースター

 イースターのミサに参りました。私にとってはあまりなじみのない、キリスト復活の日です。クリスチャンの方には大いにおめでたい日。クリスマスと並ぶお祝いです。また、この復活がキリスト教信仰の一つの軸になっていますから、とても大事な日です。朝8時のミサというのに、100名ぐらいは見えていたでしょう。観光バスで外国人旅行者の集団もきていました。

 とても印象的だったのは、ある聖歌の一説です。趣旨は「天国の門が開かれ、罰の連鎖が解かれる」。復活祭の意味をいっているのでしょうか。今もパレスチナの地は紛争が絶えません。年末年始にガザ地区で大きな犠牲をはらったのは記憶に新しいところ。もちろん当時から「ユダヤ対イスラム」という対立があったわけではないものの、厳しい戒律はときに摩擦を生じます。そのような環境で、互いに相手を責める(攻める)罰の連鎖を解くことに、イエス・キリストの誕生と復活の意味があったのか・・・。正しいかどうかはご指摘いただくとして、私は勝手に納得したのでした。

 さて、絶えぬ紛争は「ネガティブなカレンシーの交換」として説明できます。「やられたから、やり返す」すなわち「罰の連鎖」です。ほしくもないものをもらうと、どうしてもやり返したくなるもの。上司から批判ばかりされていれば、あるいは無視され続ければ、部下は力を発揮しない、という「ネガティブ・カレンシー」で返します。プロジェクトリーダーが、関係者に情報開示しなければ、関係者もこのリーダーと積極的に関わらない、という形で「ネガティブ・カレンシー」を返すでしょう。まあ「罰の連鎖」とは大げさに聞こえるものの現実はそうです。また当事者たちが気づかぬままに、この連鎖は進行してしまう。昨日もあるマネジャーが、部下にやったことが、自分に返ってきていたとは気づかなかった、もっと意識したい、といっていました。知らない間に進むのが「カレンシーの交換」です。なにも紛争地域でなくても、職場でも家庭でも起こっているものです(職場や家庭が紛争地域というところも珍しくないですけど)。

 そのような連鎖を「愛」でたつのがキリスト教の本質なんだろうな。あなたは愛されている。だから隣人を愛しなさい。それはリスクを伴う。だからあなたに勇気をあたえよう。信仰がなくても、この取り組みから学ぶところ大でしょう。

 クリスチャンのみなさん、復活祭おめでとうございます。(勝手な思いつきで書いてしまったので、不愉快であればすみません。)

2009/04/09

邦楽の時間

 ブログの間隔が空きすぎている、と友人の柴田亮平君にしかられてしまいました。私の言い訳は、クライエントの話しに触れてしまいそうになるのでためらうことが多い、です。とはいえ、表現に工夫して、乗り越えるとしましょう。

 さて、昨日は学生時代からの友人、井上正広君の細君、美和さんも出演する「桐韻会」の定期演奏会を楽しみました。邦楽に馴染みがあるわけではなく、聴いてもその良さがよくわからない私ですが、昨夜は感動しました。こんなにすばらしいハーモニーが、箏、十七弦から奏でられるのか・・・。すっかり魅入ってしまったのです。
 私の関心は、例によってこのハーモニー、シナジーの生まれ方。リーダー格の方が曲を引っ張っているようではあります。それでも互いに耳を澄ませながら、他の演奏者との境界を越えていくような感じ。各自が自分の足で立っていなければいけない、でもひとりでは曲にならない。そこがおもしろい。もちろんこれはラテンも同じですが、弦には弦の世界があるなあ、邦楽の世界はなにか日本人に訴えるものがあるなあ、と感服しました。そしてなにより美しい音色に感動したのでした。邦楽に触れる機会がないのは、惜しいですよ。

 もうひとつ、音楽とは関係ないことで。
 演奏会のあとに井上君が話しをしていた男性数名は演奏家の夫たちではないかと、勝手に想像しました。妻が演奏するのを支える夫たちのコミュニティがあるとしたら、これもおもしろい。
夫婦はどのように影響を及ぼし合ったのでしょうか!興味はあったものの、真実を知るのは恐いと感じ、昨夜は訊きませんでしたが・・・(井上君はジャーナリストとして大活躍している人です)

 すばらしい演奏会を、美和さん、ありがとう!

2009/04/07

パーカッション 発表会

 4月26日(日曜日)は、ラテンパーカッションクラスの発表会です。
未熟ではありますが、練習の成果を出したいと思います。

2009/04/05

今年であった新入社員

 5日前に学校を卒業した若者が、すでに社会人として始動し始めています。
 ある新入社員研修を担当しました。50名あまり。男女半々。10000倍ぐらいの競争を勝ち抜いてきた人たち、とうかがっています。みんな優秀な人たちだと思いました。課題、問いかけに対するレスポンスが早い!これはちょっと前の新入社員とは違う、トレーニングされている、と感じさせます。
 一方で、違和感を感じたのも事実。万遍なく何でもできが良い、というのはかわいくない。頭がよくて、かわいくて、人当たりも良い、そのうえコミュニケーション能力もあるなどという若者は、以前は少なかったのではないか。このできのよさは何なんだ!トレーニングされている、というより、むしろブリーディングされている(この場合、仕込まれている、改良されているというイミ)印象なのです。つまり、家庭教師がつき、ピアノを習い、進学塾に通い、子供の頃からバレエかサッカースクールで過ごす。そして、インターナショナルスクールで英語づけ。その成果が出ました、というような。ブリーダーに育てられたきれいなお犬様のような・・・。
 うーむ、これは、貧富の差がいよいよ拡大している証かもしれません。一方で粗野な青少年の問題について毎日のように聞かされています。
 できのよい若者が世相の反映と考えると、複雑な気持ちであります。

2009/03/26

WBCチーム

 WBC日本優勝しましたね。昨日、優勝チーム記者会見をテレビで見ました。
 イチロー選手によれば「リーダーはいなかった。いらなかった」そうです。それだけ、全員が目標に向かって結集していたのでしょう。もちろん、彼の謙遜もあるかと思います。
 一方、原監督は「自分は何もしなくても、選手がやってくれた」といった話をしていました。これも謙遜でしょう。彼が選手を信頼して任せたこと、「侍ジャパン」のプライドを刺激したことが、大きなカレンシーとなったと思います。
 いずれにしても、よいニュースでしたね。

2009/03/23

人も羨む仕事?

 先日、ある先生方のセミナーに臨みました。いわゆる”士業”のかたです。たぶん、年収も8ケタ。人が聞いたら「良いお仕事ですね」といわれるでしょう。実際にお会いしたみなさんは、立派な方達ばかりでした。
 彼らの仕事も、基本的にはプロジェクトです。その都度、自分よりも経験の少ない同僚とチームを組んで、お客先へ乗り込みます。このあたりはIT系のプロマネのみなさんと共通です。違いは、クライエントから「先生」と呼ばれることぐらいでしょう・・・・
 ただし、彼らもラクではありません。チームメンバーは、頻繁に入れ替わります。また、メンバーも先生ですから、おそらく「いつでも辞めてやる」態勢でしょう。扱いにくいに違いありません。多くのみなさんが苦労していました。メンバーが働かない苦労では、IT業界と同じか、ちょっと大変かも。こういう現場にこそ、影響力の法則は必要なのです。
 今回お会いした先生方の中で力を発揮している人は、ひとことで言えば、覚悟できている、という印象でした。よい職業ほど、その専門性に固執したくなります。たとえば、20世紀アメリカ文学の研究者なら、ずっとそれをやっていたい。プロ野球のスターなら、引退したくない。しかし、現実世界はそれを許しません。経験を積んだ者は、組織のリーダー、若手の教育者の役割を期待されることが多いものです。「学部長に」「コーチに」と求められます。そのときに、専門家としての役割に見切りをつけて、リーダー、育成者としての役割を受け入れるかどうか。これはなかなか難しいチャレンジですが、結果的に仕事の成果をあげていくうえでは、逃げられない現実なのではないでしょうか。
 この現実と向き合うことが、影響力の前提になるように思います。

2009/03/17

固い決意

 3月、卒業の季節です。今年は私の授業の履修者が初めて卒業します。先日すでに銀行に就職が内定している学生から、嬉しい便りが届きました。卒業論文が評価され、優秀論文集に載ることになったのだそうです。すごいですね、まだ読んでいないので、楽しみにしています。
 彼女にとっては大きな変化のときです。就職活動、卒業、就職と相次ぎます。この時期に何を学んだのでしょうか。いわく、「固い決意」があれば難しいこともなんとかなる、だそうです。なるほど、早い時期から銀行で営業活動をしていきたいと言っていました。厳しい仕事だと思います。でもそのリスクを恐れぬ態度は、銀行の幹部さえも動かしたのでしょう。また、卒業研究に集中して望み、先生の指導を仰ぎ、すぐれた論文を書くにも、固い決意があってこそでしょう。影響力の土台のひとつには、この「固い決意」が欠かせないと思います。
 また学生から学ばせていただきました。

2009/02/27

中途採用のマネジャー

 中と採用されたマネジャーのお話をうかがいました。同業他社から来たとはいえ、扱っている製品とマーケットには詳しくなく、当初部下からは総スカン。そのうえ就任したときは、部下たちは二つの派閥に分断されており、そこに競合会社から落下傘でおりてきた彼は、大変苦労されたそうです。
 このかたの立場を考えてみましょう。部下が動かなければ、ビジネスの目標を達成できません。ところが、部下は派閥抗争に明け暮れている。ビジネスの現場の情報も部下から入ってきます。会社を辞めてきているので、キャリアの危機です。早く結果を出さなければ!そのためにも、部下から認められない状況を早く脱しなければなりません。
 部下はどうみているでしょうか。自分の派閥の勝利にもっとも関心があるかもしれません。競合会社に対する自分たちの優位を証明するために、上司を無能にしたいかもしれません。少なくとも、上司の本気度合いは知りたいでしょう。
 そういう意味で、この方が最初の3ヶ月エネルギッシュに振る舞ったのはよかったのではないでしょうか。結果的には、数ヶ月で人心を掌握されたそうです。新しいキャリアをそんな厳しい状況から始めなければならない人は、転職市場が拡大するにつれて増えていくでしょう。

2009/02/21

ゴッドファーザー

 先日テレビで映画「ゴッドファーザー」3部作を放映していました。アル・パチーノをはじめとする役者たちはすばらしい演技だと思いますが、簡単に言えば、マフィアの殺し合い。あまりにもドンパチやるので恥ずかしながら、夜中に殺し合いの夢を見てしまいました。
 この中で印象的だったのは、”貸し借り”の話しが多いことです。「そろそろ貸しを返してもらおうか」といわれたら断れないですよね。恐いなあ。これをビジネスの世界でやってしまっては、マイナスのカレンシーになるのが関の山でしょう。しかし、あらためてレシプロシティの力を感じた次第。とくにマフィアのような内向きの組織では、借りを返さないというのは決定的に問題でしょう(どんどん殺されてしまいます・・・)。会社も、とくに立派な組織をもった会社ほどにているのではないかな。
 約束は守りましょう。

2009/02/12

エンジニアの毎日

エンジニアの方は、製品のサポートなどで毎日身を削る思いでしょう。
 今週お目にかかった何人かのみなさんは、お客を中心にした生活で、24時間体制で働いていました。なかでもカスタマーエンジニア(主として購入後のサポートをしている)の方たちは、実直でまじめ、製品に対する思い入れも人一倍で、愛すべき人たちと感じました。この製品に対するコミットメントが、日本の物作りを背面から支えているといえるのではないでしょうか?彼らの仕事ぶりが、顧客に対する影響力を高めていることは間違いありません。
 しかしながら、大きな犠牲を払っている彼らを、ともすると軽く扱う現代の風潮は、後に大きなしっぺ返しにつながるのではと危惧したのでした。

2009/02/03

デパート

 今朝の報道によると、7&Iホールディングズがそごう、西武百貨店の見直しを進めるようです。西武百貨店札幌店を閉店する、そごう心斎橋本店を大丸に売却する、などです。百貨店、苦戦してますね。先日たまたま西武を訪ねる機会がありました。うーん、「おいしい生活」が懐かしい。消費が中心の価値観は、大きく転換しているのでしょうか。
 こういうときこそ、顧客にバリューを届けてほしいと思います。家族が小さくなっているし、人間関係に飢えている人は多いでしょう。百貨店が新しい出会いの場所になれないものでしょうか。まあ、こんなカレンシーが役立つのかわかりませんが、テーマによっては私も参加してみるかもしれません。
 とはいえ、私の買い物額では、百貨店が顧客とは認めてくれないでしょうが。

2009/02/02

国務長官の来日

 アメリカの新国務長官クリントン氏がアジア各国訪問の最初に、日本を訪ねる計画との報道がありました。日米関係を対アジア外交の中心とする現れ、といった説明付きで。
 そうかもしれないし、やはり対中外交中心かもしれない。それはともかく、こちらを尊重してくれるというのは、ある意味で重荷になるでしょう。「尊重します」という姿勢こそ、大きなカレンシーになるからです。何となく借りができて返さなければならなくなる。真っ向勝負で、相手の懐に飛び込む人の強みがここにあると思います。オバマ大統領がそうじゃない?
 さて、こうして歩みよってくるということは、それなりに返さなければならない。アフガンか普天間か、経済政策への同調も求められるんでしょうね。

2009/02/01

ラムしゃぶ


 昨日は、友人宅でラムしゃぶを。結論を言えば、実に美味かった。羊はくさいという思いこみもありますが、それは肉の種類と料理の仕方でしょう。今回特別に仕入れてくれたラムの味は格別でした(子羊さん、ありがとう)。このカレンシーは結構大きいです。柴田君、幸代さん、ごちそうさま、ありがとう!

2009/01/31

春節


 先日春節を迎える横浜中華街を訪れてきました。ここはさまざまなひとびとが集う街。不況を乗り越えるエネルギーも感じました。

2009/01/27

コスト削減プロジェクト

 購買チームでコスト削減プロジェクトを進めるリーダーのケース。開発や生産の現場が、思ったように協力してくれず、目標達成が危ぶまれています。このご時世、同様のご苦労は少なくないはず。もしこの方だったら、どうしましょうか?

 まず、協力を求めたい相手の立場に立ってみましょう。開発部門のマネジャーたちは、優れた技術を投入してすぐれた設計をしたいはずです。開発部門のトップは「技術革新を進めよ」「他社に先んじろ」と言っているいるはずです。部下たちは「やりがいのある仕事じゃないと、モチベーションが上がらない」などといっています。自分の専門に誇りを感じ、活かしたいはず。同時に技術革新に取り残される不安も感じているかもしれません。このような人から、予算を削減しろというのは、技術者としてのアイデンティティの危機ではないかと思います。私が開発部門の立場にいれば、抵抗します。

 ではこのようなマネジャーは、何にありがたみを感じるでしょう。私なら、まずは、自分の専門を認めてほしいかな。機械なら機械、半導体なら半導体など、技術者は専門をそれぞれもっています。その専門により所があるでしょう?それからチャレンジできる環境も。大学よりもおもしろいと思って就職したのに、同級生の方が教授になって好きな研究をしている、などというのが一番がっくりくると思います。好きな分野でチャレンジ。誰もやったことのない仕事ができるのはありがたいですね。部下からの尊敬も大事。自分の技術を次世代に繋げられたら幸せ、かな。

 そのうえで、コスト削減を進めるには、どのようなカレンシーの交換ができるでしょうか。わたしなら少なくとも、現場で何にプライドを感じているか、よく聴きたいですね。どんな仕事したいかも。この場合、聴くだけで大きなカレンシーになるかもしれません。

2009/01/22

今週悟ったこと

 今週末、MacBookAirを買ってしまいました。ようやく今日から本格稼働しつつある、というところです。この製品の是非についてはなんとも。3年間使っているPowerBookになんの不満もありません。コンピュータとIT関係の師匠で25年来の友人、林君は「やめておいた方がいい」と言っていたのですが、止められませんでした。「オレオレ詐欺」の類いにかかってしまう人が、銀行のATM前で警官に説得されても振り込んでしまった、という話が理解できます。
 ここでの私の心理は簡単。この1年ずいぶんがんばってきた、それに比して報酬が少ない、もっと報われていい、これぐらいの買い物自由にできて当然だ・・・いや、これは理屈ではありません。衝動的なのです。こうなると、ストレスにさらされている会社幹部などが、BMWを買ってしまうのもわかる気がしました。首都高速を走っていると、なんとBMWやらMercedezやらが多いことか。これは「がんばっているオレ」に対する報酬かもしれませんね。Louis VuittonとかGucciもそうかな。
 カレンシーの交換は、自分で穴埋めしてしまう、という形でも成立しているようです。景気後退で消費が停滞しても、やがてどこかで穴埋めが始まることでしょう。楽観的。

2009/01/17

今朝の三番瀬

今朝は少し湿度が高かったようです。これはまるで印象派、と感じました。現実の風景に絵画のイメージをあてるのは可笑しいですね。モネもこのような風景を見ていたのでしょうか。

2009/01/15

ジョブズ氏の病気療養

 AppleのCEOスティーブ・ジョブズ氏が、病気治療のため6月まで休養するとのこと。昨年からの健康懸念が裏付けされた形で、株価も10%下がりました。ほんとうにジョブズがすべてを仕切ることなどあり得ないでしょう。ですから彼が休養しても、退任しても、実質的なパフォーマンスに直接的に影響はなさそうですが。そうはいっても、今まで黙っていた人たちが、一斉に不満を述べたりする可能性はあるかな。カリスマのもとでは、がまんにがまんを重ねていた人が少なくないでしょうからね。このカレンシーの交換を見誤ると、後継者は苦労するはずです。
 個人的にはAppleのファンなので、会社としてはイノべーションで発展してほしいところ。

 ただいま翻訳中の「続 影響力の法則」では、アップルの社員のケースがでてきますよ。

2009/01/13

離党する元大臣

 渡辺前行政改革担当大臣が自民党を離党しました。麻生総理の改革逆行?を厳しく批判していましたね。彼は前職の時かなり難しい各党の改革や公務員制度改革、天下り禁止などに取り組んでいたと記憶しています。それがすべて反故にされた、というところがあったのでしょうか。
 ちょっと違和感を感じるのは、まだ4ヶ月ぐらいなのに、もう麻生さんではダメだと断言していること。それで党内での改革を進めるのではなく、離党してしまうところです。氏の記者会見の様子はニュースで見ました。決意に満ちて、というよりもやむにやまれぬという印象を受けたのは、私だけではないでしょう。
 ここは、レシプロシティで考えてみましょう。まず、彼の努力が無になったのだとすれば、これは大きなマイナスカレンシーです。そのお返しをするのは、理性を超えて自然なことと言えましょう。でも、もっと何かあったんじゃないのかな。これまでの積年の恨みみたいなものが。渡辺氏はお父上も立派な方だったような、すごい栃木弁の記憶のほうが大きいけれど、総裁にはなれなかった。父上が亡くなって、どれほどこの仕事を引き受けたかったか分かりませんが、おそらく担ぎ上げられてしまった。それで時間を掛けて覚悟を決めてきて、いよいよ大仕事をした。霞ヶ関から(たぶん)圧力を受けながらも、大なたを振るったわけです。ひょっとしたら、かなりのリスクもあったでしょう。ところが、現総理ときたら、彼の努力をいっぺんに帳消しにしてしまった。
 以上はすべて推論です。でも、こういう力が働いていたとしたら、あのような辞め方も理解できます。理屈を超えた意思決定には、レシプロシティが無視できないと読んでおります。

成人の日

 私の住んでいる浦安市では、ディズニーランドで成人式をおこないます。ニュースでその様子を見ました。なんでミッキーマウスと踊ったりすることが大人の仲間入りと関係あるんでしょうね。
 さて、「爆問学問」という番組も、成人の日スペシャルでした。立花隆、糸井重里ら60代と20代の元モーニング娘。がゲストでした。大人になったと感じたのはいつ?という質問にたいして、立花氏は「子供がうまれたときじゃないか」と。たいして糸井氏が「会社で人を雇ったとき」といっていましたね。人を雇うというのは大きな責任が伴うもの。との重みを感じたとき、大人になった、と思ったとのことです。ああ、そうだよな、と同意。
 プロジェクトで仕事をしていても、人の生活を左右しているわけではない。それゆえに、自分のやりたいことだけやっていればいい、仕事していればいいんでしょ、というところがあります。ここが雇用している場合と違う。このゆるさが、なんとなくリーダーに対する信頼を高めない。リーダーであれば、強い責任感を抱いていることが影響力を高めます。とくにプロジェクトの場合は意識しておかなければならないでしょう。
 もっとも、雇用していてもその責任を感じない人がいるのは残念です。

2009/01/06

若い世代に

 毎年年初に目標と、この数年の生き方の指針を書き出すようにしています。これに従って、日々の計画をたてていくわけです。
 今年は、のこり半分となった40代の指針を書き直し、その中に、「若者を尊重する」を加えました。若い世代は次の時代を担っていきます。彼らが感じていることを、正しい方向に表現できれば、新しい時代が切りひらかれていくでしょう。また、私自身が若い世代から学ばせていただける。これは、私の年代になったから、また教員をやるようになったから感じることだと思います。ありがたい巡り合わせというほかありません。
 では、具体的にどうするか。まずは、彼らの話を聴こうと思います。心からね。

2009/01/03

年頭の誓い

 ここ数年、私の初詣は、カトリック教会、実家の地元の水神さん、観音さん、大日如来、鎮守の神社、お不動さん、と決まっております。これだけあちこちにお参りするのでは、初詣と言わないのかもしれません。でも、それぞれ年初にご挨拶して、一年を考えるのですから、私にとっては、「初詣」になっています。
 このなかに教会があるのは、珍しいでしょう。教会で元旦というと、キリスト生誕8日目、イエスと命名された日だそうです。また、カトリック教会では「聖母マリアの日」であり、同時に「平和の日」でもあります。元旦、世界のカトリック信者が世界の平和を祈ります。ローマ法王ベネディクト16世からは、貧困の解消への努力にむけたメッセージが送られました。
 私たちが訪れた教会では、司祭が、イエス・キリストが当時のイスラエルの紛争を鎮めるために神から遣わされた、と説明されていました。なるほど、現実には穏やかで居続けることは難しかったものの、本来キリスト教は平和の宗教でありますね。このお話しを聞いて妻は、キリストはネガティブなカレンシーの交換の流れを変える使命をおっていたのだ、と気づきました。確かに!紛争はネガティブカレンシーの交換の典型です。その流れを変えるためには、無条件でポジティブなカレンシーを出さなければならない、それがキリストの役割だったのでしょう。そして、そのメッセージをひとことで言えば、愛ですね。
 否定的な流れを変えることこそ、リーダーの役割といえます。オバマ次期大統領に期待が集まっているのも、ネガティブカレンシーの交換を、ポジティブに変えようというメッセージだったから、と考えるとしっくり来ます。
 イスラエルとパレスチナの紛争が鎮まること、経済の混乱に伴ってまた新たな紛争が起こらないことを願わずにはいられません。