ニキータ・ミハルコフ監督の『戦火のナージャ」(太陽に灼かれて2 The Exodus)を観ました。ミハルコフは私の最大のお気に入りです。現役の映画作家、芸術家としては、私の中では頂点です。個人的には、ヴァン・ゴッホに匹敵する人間描写と考えています。
この作品、どんどん引き込まれてしまい、2時間半はあっという間でした。まずいつものように、美しい大地と地平線。その間に人が生きているんだ、人は自然の一部と思わされます。親子の愛と絆もいつものテーマです。ロシアは家父長の強い世界と思われていますが、強い父のモチーフは今回も感じました。
またミハルコフ作品は、いつも少し可笑しい日常が描かれ、その直後に登場人物たちを地獄に突き落とします。今回は、士官候補生が合流し、罪人たちと要塞を築く、そこで交わされるエリートと非エリートのちぐはぐなやりとりで笑いを誘った後に、ナチスの戦車がやってくる。ロシア(ソビエト)側は、数人を残して15分の間に240名が殺されてしまう。赤十字の船がナチスのパイロットの怒りを買い、執拗な攻撃を受ける場面もありました。とにかく燃料が切れるまで報復するのです。やられたらやりかえす、という単純な心理(それも怒りよりも怖れ)が恐怖のどん底に突き落とす。日常と地獄が背中合わせと感じさせるのは、さすがです。
試練を神の計らいと考えなければ、それに耐えるのは難しいのではないか。最大の感想です。
公開中にもう一度観に行くと思います。
2011/05/02
2011/05/01
試練に立ち向かった2人
NHK ETV特集で、浅野史郎氏と村木厚子氏の対談「二人の”チャレンジド”」を放送していました。このおふたり、ちょうど時を同じくしてガン(白血病)とえん罪の試練にさらされることになります。お話を聞き、ふたりがそれぞれの試練に向き合う姿勢、挑戦には、大変感銘を受けました。
とりわけ感心したのは、村木さんが大阪拘置所に勾留されている間のこと。彼女は無罪の身で拘置されていることにショックをうけながら、拘置所のさまざまな現状を観察し続けていました。そして、自ら取り組んできた仕事(障害者の雇用)と結びつけて、入所者としての体験を記憶し、入所施設についての考察を重ねていくのです。たとえば、拘置所の職員の態度に力づけられ、障害者施設の職員の取り組みについて考えます。差し入れられた小説に「さまざまな試練があっても、それをどう受け止めるかは、本人が選択できる」という主人公の言葉を見つけ、自らを励ましてきたのだそうです。また浅野さんらの励まし(「あきらめるな、正義は必ず勝つ」)も救いになったと述べていました。(拘置所の職員に「泣いてちゃだめよ、あなた検察と闘うんでしょ」と言われたというのには、驚き感心しました)
思い出したのは、精神科医フランクルが、ナチの収容所で収容者の体験を記録していったことです。その人にしか与えられない試練にどう取り組むかで、キャリアの価値が問われるのですね。
職場やプロジェクトの現場ではどうでしょうか。試練に直面し、部下や同僚が混乱してしまっていたら。上司として同僚としてどう関われるか。やはり、目標は本人が困難を受け止め、適切に対処することでしょう。たとえば、問題を拡大させないことです。カウンセリングでも、落ち込んでいる自分自身に動転しないように働きかけます。
では、もっとも価値あるカレンシーは何か。それはその人によって異なりますが、誰にでも共通するのは、「信頼」ではないでしょうか?あなたは回復する、あなたの目標を達成すると信じている、ということ。そしてその言葉を信じるに値する態度。私自身、そうありたいと思いました。
とりわけ感心したのは、村木さんが大阪拘置所に勾留されている間のこと。彼女は無罪の身で拘置されていることにショックをうけながら、拘置所のさまざまな現状を観察し続けていました。そして、自ら取り組んできた仕事(障害者の雇用)と結びつけて、入所者としての体験を記憶し、入所施設についての考察を重ねていくのです。たとえば、拘置所の職員の態度に力づけられ、障害者施設の職員の取り組みについて考えます。差し入れられた小説に「さまざまな試練があっても、それをどう受け止めるかは、本人が選択できる」という主人公の言葉を見つけ、自らを励ましてきたのだそうです。また浅野さんらの励まし(「あきらめるな、正義は必ず勝つ」)も救いになったと述べていました。(拘置所の職員に「泣いてちゃだめよ、あなた検察と闘うんでしょ」と言われたというのには、驚き感心しました)
思い出したのは、精神科医フランクルが、ナチの収容所で収容者の体験を記録していったことです。その人にしか与えられない試練にどう取り組むかで、キャリアの価値が問われるのですね。
職場やプロジェクトの現場ではどうでしょうか。試練に直面し、部下や同僚が混乱してしまっていたら。上司として同僚としてどう関われるか。やはり、目標は本人が困難を受け止め、適切に対処することでしょう。たとえば、問題を拡大させないことです。カウンセリングでも、落ち込んでいる自分自身に動転しないように働きかけます。
では、もっとも価値あるカレンシーは何か。それはその人によって異なりますが、誰にでも共通するのは、「信頼」ではないでしょうか?あなたは回復する、あなたの目標を達成すると信じている、ということ。そしてその言葉を信じるに値する態度。私自身、そうありたいと思いました。
2011/04/22
名車の開発
「名車を創った男たち」を読みました。90年前後の「名車」開発のプロジェクトリーダーへのインタビューをまとめたもの。スカイラインGTR、ユーノス・ロードスター、エスティマなど、日本車が輝いていたころの開発物語がコンパクトにまとめられています。今ではこうはいかない、というような専用部品をふんだんに使った贅沢なクルマたちが、あったんですよね。
私の関心は、もちろんプロジェクトのリーダーシップ。ロードスターが派遣社員中心?に開発されていたとか、スカイラインを生き返らせるために幹部に使った殺し文句とか、役割を越えて口を挟ませる規範づくりとか、責任共有のリーダーシップとの繋がりを感じて実に興味深い。ひとりひとり会って、話を直接聞いてきたいと思いました。
日本には、ものづくりの侍がいた、という気がします。きっと今も息づいているのでしょう。楽しい本でした。
私の関心は、もちろんプロジェクトのリーダーシップ。ロードスターが派遣社員中心?に開発されていたとか、スカイラインを生き返らせるために幹部に使った殺し文句とか、役割を越えて口を挟ませる規範づくりとか、責任共有のリーダーシップとの繋がりを感じて実に興味深い。ひとりひとり会って、話を直接聞いてきたいと思いました。
日本には、ものづくりの侍がいた、という気がします。きっと今も息づいているのでしょう。楽しい本でした。
2011/04/21
somewhere
ソフィア・コッポラ監督、"SOMEWHERE"を観てきました。ヴェネチア金獅子賞受賞作となれば期待も高まるというもの。でも、へえ、なるほどね、という感じ。
コッポラ作品は初めてです。結構長回しするんですね。オープニングからフェラーリがぐるぐる回っていて・・・。そのあとも1カットが長い。こういうのは、欧州映画や日本映画ではおなじみですが、アメリカ作品ではあまり見ない気がします。イタリア系アメリカ人による、米伊折衷か。私は1カットが長いのはすきで、登場人物の心理の変化を見せますよね。ところが、この長いカットの後で、この登場人物の世界がたいしたことないなあ。娘と離れれば寂しくて当たり前。何を描きたかったんだろう。
とはいえ、この作品の父と娘の関係を、コッポラ親子との関連で観てみれば面白い。映像もキャストも魅力的で、もう1回観たら印象変わるかな。
コッポラ作品は初めてです。結構長回しするんですね。オープニングからフェラーリがぐるぐる回っていて・・・。そのあとも1カットが長い。こういうのは、欧州映画や日本映画ではおなじみですが、アメリカ作品ではあまり見ない気がします。イタリア系アメリカ人による、米伊折衷か。私は1カットが長いのはすきで、登場人物の心理の変化を見せますよね。ところが、この長いカットの後で、この登場人物の世界がたいしたことないなあ。娘と離れれば寂しくて当たり前。何を描きたかったんだろう。
とはいえ、この作品の父と娘の関係を、コッポラ親子との関連で観てみれば面白い。映像もキャストも魅力的で、もう1回観たら印象変わるかな。
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