私は新卒で自動車業界に飛び込んで以来、目的地に行く前に地図を頭にたたき込み、あとはイメージに従ってドライブする、という方法で二十数年やってきました。でもとうとう、初めてのカーナビ、正式にはPNDと呼ばれるアメリカの軽便カーナビを購入しました。Garmin社のnuviと呼ばれるこの機種は、2万円少々で手に入る他より安価なものですが、海外でも使える優れもの。毎日どこを走行したか、その軌跡を記録でき、これをクラウドに残しておける(はず)。歩行でも使えますから、旅行でも活躍してくれると期待したわけです。
カーナビを使ってみると、やはり運転スタイルは変わりました。まず地図を見なくなった。行く先でナビが教えてくれるでしょう?それから、いちいち右へ、左へとナビの指示を聞くことになりました。自分が慣れたルート以外を指示してくることもあるのです。違和感を感じながら、思い切って機械のいわれるがままになってみる。と、自分で考え判断しなくなりますね。こうして、生活は効率化が進んでいくのでしょうが、実はナビを使うと運転が楽しくないんですよね。なぜなんでしょうか?これは私だけですか?
考えられる理由。人の言いなりになるのが好きじゃないから、考えて判断する一種のゲームが楽しみだった・・・。これ、優秀な部下が来ると部下の話を聞かなければならない上司のジレンマに近いなあ。研修の参加者で部下や後輩の話など聞きたくない、という人多いんですよね。自分が専門家でいたいということです。私の仕事のうえでの役割は、部下や後輩を抱えているのに、自分一人で何とかするのをあきらめさせること。言い換えれば、上司としての役割を受け入れて、覚悟を決めさせることです。でも、専門家として成功してきた人ほど、手放せないものです。たとえば、トップセールスマンだった人が、部下がみんな自分より劣っていることにいらいらして、自分が先頭に立って売り歩く。結果部下が育たない、のような話です。多いと思いますよ。現実には、レシプロシティの原則通り、部下の話を聞いた方が部下は上司のいうことを聴くものです。聞いてもらった、という感覚がカレンシーになるからです。
しばらくナビは試行錯誤です。とにかく優秀で、数メートル範囲の誤差しかないし、速度も正確。ゼンリンの地図も信頼できる。大いに気に入っています。一方ナビが具合悪いのは、こちらがナビの指示に従っても決して感謝しないことでしょう。いざとなったら無視、という戦術を学ぶまでいらいらしそう。ナビ程度かそれ以下の部下を持つ上司には同情します。どうか「影響力の法則ー現代組織を生き抜くバイブル」第9章をお読みください。
2011/06/05
2011/06/04
不信任
内閣不信任決議案が衆議院に提出され、否決されました。それと引き替えに、首相は退陣表明した。リーダーというのは信任されて部下がついてくるわけですから、菅内閣は死に体内閣になってしまいました。すでに韓国は李大統領訪日の見合わせをしているそうです。こんなときに、こんなことをやっていれば、一層の政治不信が、国民、世界に広がってしまうことは間違いない、ですよねえ。本当に情けない。死に体内閣になった以上、首相は早期に退陣した方がいい。
一方不信任案を出す方も、相当な覚悟があったはずです。谷垣氏にとっては、加藤(紘一氏)の乱に次いで、また失敗だったように見えます。でも、私は最低限の目的を果たしたと思っているのではないか、と穿った見方をしています。それは原発反対派の押さえ込み、です。今回の決議案の主役たち(提出、支持者)に共通するのは、原子力発電じゃあないですか??まあ、笑い話と思ってください。そういう仮説に立った場合、です。
彼ら(推進派)の立場に立って考えてみましょう。私が原発推進派であれば、この時期世論が反原発に流れるのを静かに止めたいと思います。原子力発電の危機なんですから。国民の多くは、原発を全廃するか、今止めるか、順番に止めるか、将来止めるか、に傾いています。ドイツやスイスは撤廃に向けて動き始めました。ここで原発推進の旗を振るのは、そうとうな勇気がいります。政治家なら落選につながりかねません。ですからそれと気付かれないように、世論を誘導したい。マスコミなどには強い影響を及ぼそう。反対派の人たちには、(前福島県知事のように?)そっと退場してもらいましょう。きたない、ひどい、というかもしれないですが、それは推進派から見れば当然です。そこに拠って立つのだから、必死です。
菅首相は表だって原発反対ではありません。おそらくエネルギー政策について、それほど重きを置いてこなかった(と思います。ここが「公共の福祉より人権重視」の人の弱いところ)。よってエネルギー政策ではすぐぶれる。菅氏の支持者たちは市民活動家が多く、彼に圧力をかけているのは反対派です。彼自身はニュートラルでも支持者の圧力は無視できない。だから、私が推進派だったら、菅氏は何を言い出すかわからない怖い人です。すでに首相の一声で浜岡原発を止めてしまったうえに、この間まで海外で原発のセールスをしていたと思ったら、政策の見直しを発表しちゃうんですから。早めに退場してもらわないと、どんな不利益が起こるかわからないです。原発の是非を争点に解散されたりしては参っちゃいますよ。
そこで、首相のリーダーシップがないとか、なんだかんだといって、世論を煙に巻く一方、政府に協力しないことで内閣を無力化してしまい、首相から退陣の約束を取り付ければ、民主党も含めた原発推進派はほっとします。
なんて考えていた次第。こうでも考えないと、この時期、国民の批判を覚悟でこんな愚かな不信任の話なんか持ち出さない。合理的な理由がなければ、こんなことできないよなー。よって、谷垣氏にとって加藤の乱は失敗でしたが、今度は成功だったんじゃないでしょうか。
こういうときに改めて思うのは、菅氏はもうちょっと長い時間をかけてカレンシーの交換を進め、政治家だけでなく官僚や財界にも根を張っておくべきでしたね。こういうときに味方が少ないと、結局組織を動かせません。若い代議士や官僚を怒鳴りつけてきたツケが、今になって回ってきてるんじゃないですか。業ですねえ。
かつて竹下さん、中曽根さんが絶賛した政治家が、総理大臣になったら何もできないとは、国民としては情けない。そういえば、安部さん、福田さん、麻生さんも似たような印象だったなあ。これはやはり総理だけの問題じゃなく、フォロワーである国会議員こそだめなんじゃないか。リーダーが信任によってなりたつということは、フォロワーが腹を括ってリーダーを信任しなければ、どんなリーダーでも機能しないですよ。どっちもどっちですな。
一方不信任案を出す方も、相当な覚悟があったはずです。谷垣氏にとっては、加藤(紘一氏)の乱に次いで、また失敗だったように見えます。でも、私は最低限の目的を果たしたと思っているのではないか、と穿った見方をしています。それは原発反対派の押さえ込み、です。今回の決議案の主役たち(提出、支持者)に共通するのは、原子力発電じゃあないですか??まあ、笑い話と思ってください。そういう仮説に立った場合、です。
彼ら(推進派)の立場に立って考えてみましょう。私が原発推進派であれば、この時期世論が反原発に流れるのを静かに止めたいと思います。原子力発電の危機なんですから。国民の多くは、原発を全廃するか、今止めるか、順番に止めるか、将来止めるか、に傾いています。ドイツやスイスは撤廃に向けて動き始めました。ここで原発推進の旗を振るのは、そうとうな勇気がいります。政治家なら落選につながりかねません。ですからそれと気付かれないように、世論を誘導したい。マスコミなどには強い影響を及ぼそう。反対派の人たちには、(前福島県知事のように?)そっと退場してもらいましょう。きたない、ひどい、というかもしれないですが、それは推進派から見れば当然です。そこに拠って立つのだから、必死です。
菅首相は表だって原発反対ではありません。おそらくエネルギー政策について、それほど重きを置いてこなかった(と思います。ここが「公共の福祉より人権重視」の人の弱いところ)。よってエネルギー政策ではすぐぶれる。菅氏の支持者たちは市民活動家が多く、彼に圧力をかけているのは反対派です。彼自身はニュートラルでも支持者の圧力は無視できない。だから、私が推進派だったら、菅氏は何を言い出すかわからない怖い人です。すでに首相の一声で浜岡原発を止めてしまったうえに、この間まで海外で原発のセールスをしていたと思ったら、政策の見直しを発表しちゃうんですから。早めに退場してもらわないと、どんな不利益が起こるかわからないです。原発の是非を争点に解散されたりしては参っちゃいますよ。
そこで、首相のリーダーシップがないとか、なんだかんだといって、世論を煙に巻く一方、政府に協力しないことで内閣を無力化してしまい、首相から退陣の約束を取り付ければ、民主党も含めた原発推進派はほっとします。
なんて考えていた次第。こうでも考えないと、この時期、国民の批判を覚悟でこんな愚かな不信任の話なんか持ち出さない。合理的な理由がなければ、こんなことできないよなー。よって、谷垣氏にとって加藤の乱は失敗でしたが、今度は成功だったんじゃないでしょうか。
こういうときに改めて思うのは、菅氏はもうちょっと長い時間をかけてカレンシーの交換を進め、政治家だけでなく官僚や財界にも根を張っておくべきでしたね。こういうときに味方が少ないと、結局組織を動かせません。若い代議士や官僚を怒鳴りつけてきたツケが、今になって回ってきてるんじゃないですか。業ですねえ。
かつて竹下さん、中曽根さんが絶賛した政治家が、総理大臣になったら何もできないとは、国民としては情けない。そういえば、安部さん、福田さん、麻生さんも似たような印象だったなあ。これはやはり総理だけの問題じゃなく、フォロワーである国会議員こそだめなんじゃないか。リーダーが信任によってなりたつということは、フォロワーが腹を括ってリーダーを信任しなければ、どんなリーダーでも機能しないですよ。どっちもどっちですな。
2011/05/22
勝てるチームと負けてるチーム
数年ぶりで神宮へ。東京六大学野球 立教対東大戦を同窓の盟友と観戦しました。もちろん立教を応援。結果は事前の予想通り、5-0で立教の勝利となりました。
試合前の練習では、立教の選手がピッとボールを投げるのに対して、東大の選手は山なり。ボードを見ると他の私学並みに近年野球枠を入学させている立教は、PL学園、横浜、大阪桐蔭と甲子園の常連校出身者がいるのに、東大は麻布、灘、武蔵など。差があるよなー。そう思うと東大の選手の方が小柄に見えます。「大差で立教だな」と思ってしまいます。
ところが試合が始まってみると東大の方がいい当たりは出ているし、安打数も8本ぐらい打ち遜色なし。何度も得点のチャンスがありました。投手も急速こそ120キロぐらいでしたが、立教のクリーンナップから三振を奪うなど好投。中盤までは投手戦の様相だったんですよ。守備では併殺も連発して全く遜色なし。3点ぐらいとっていても不思議はない。しかし1点もとれずに完敗です。おかげで立教に優勝の可能性を残しました。
なぜでしょう。残念ながら東大の選手は、今一歩のところで決め手を欠いており、チャンスに点がとれない。逆に、投手も最後に粘りきれず、長打を浴びてしまう。この最後の精神力のようなものが全く違う。ピンチに追い込まれるほどに集中力を高める立教の選手にたいして、東大の選手が追い込まれると最後にはどこか他人事になってしまうのが、とても印象的でした。三振をとった投手自身が驚いちゃっているんじゃあね。ですから立教サイドはピンチになっても点を取られる気がしないし、負ける気がしない。逆に3塁側は最初から勝てる気がしなかったでしょうね。じわじわと点差が開き、結局立教の大勝に。
それが組織の差だなあ、と感じました。勝つチームは最初から勝っていますね。たぶんグラウンドに出た時点で「勝っている」と感じている。古田敦也もいっていたとおり「優勝したときは、試合前に勝つ気がしていた」という感覚でしょう。チームはその感覚をつかまなければ、本当のチームにはなりません。ビジネスで考えれば、「売れない」「競争力がない」と思っていたら、最初から売れません。そういう時はどこか他人事になってしまう。どうやって、勝つチームの感覚を味わわせるか。ここがリーダーの仕事でしょう。
それはやはりフィードバックだと思います。フィードバックとは、本来システム用語で当事者に関する情報を戻すことです。この場合、「勝つ」感覚を強化することといっていいでしょう。ロンメル将軍は小さな戦勝を積み重ねたそうです。NYヤンキースは、常勝集団であることを徹底的に教育するとききました。いずれにしても優れたフィードバックが必要ですね。「遠慮」や「謙遜」に拮抗するフィードバック。影響力の法則では、このようなフィードバックが重要なカレンシーである、と定義しています。私たちの組織を本当のチームにするのに、どんなフィードバックが有効でしょうか。ほめる?機会を与える?対外試合をさせる?いろいろな方法があると思います。
さて、こうして野球は立教の勝利となり、優勝に望みをつなぎました。選手の健闘をたたえたい。東大もよくやった。これが別の領域だったら、東大が圧勝することもあったでしょうね。ああ、面白かった!
試合前の練習では、立教の選手がピッとボールを投げるのに対して、東大の選手は山なり。ボードを見ると他の私学並みに近年野球枠を入学させている立教は、PL学園、横浜、大阪桐蔭と甲子園の常連校出身者がいるのに、東大は麻布、灘、武蔵など。差があるよなー。そう思うと東大の選手の方が小柄に見えます。「大差で立教だな」と思ってしまいます。
ところが試合が始まってみると東大の方がいい当たりは出ているし、安打数も8本ぐらい打ち遜色なし。何度も得点のチャンスがありました。投手も急速こそ120キロぐらいでしたが、立教のクリーンナップから三振を奪うなど好投。中盤までは投手戦の様相だったんですよ。守備では併殺も連発して全く遜色なし。3点ぐらいとっていても不思議はない。しかし1点もとれずに完敗です。おかげで立教に優勝の可能性を残しました。
なぜでしょう。残念ながら東大の選手は、今一歩のところで決め手を欠いており、チャンスに点がとれない。逆に、投手も最後に粘りきれず、長打を浴びてしまう。この最後の精神力のようなものが全く違う。ピンチに追い込まれるほどに集中力を高める立教の選手にたいして、東大の選手が追い込まれると最後にはどこか他人事になってしまうのが、とても印象的でした。三振をとった投手自身が驚いちゃっているんじゃあね。ですから立教サイドはピンチになっても点を取られる気がしないし、負ける気がしない。逆に3塁側は最初から勝てる気がしなかったでしょうね。じわじわと点差が開き、結局立教の大勝に。
それが組織の差だなあ、と感じました。勝つチームは最初から勝っていますね。たぶんグラウンドに出た時点で「勝っている」と感じている。古田敦也もいっていたとおり「優勝したときは、試合前に勝つ気がしていた」という感覚でしょう。チームはその感覚をつかまなければ、本当のチームにはなりません。ビジネスで考えれば、「売れない」「競争力がない」と思っていたら、最初から売れません。そういう時はどこか他人事になってしまう。どうやって、勝つチームの感覚を味わわせるか。ここがリーダーの仕事でしょう。
それはやはりフィードバックだと思います。フィードバックとは、本来システム用語で当事者に関する情報を戻すことです。この場合、「勝つ」感覚を強化することといっていいでしょう。ロンメル将軍は小さな戦勝を積み重ねたそうです。NYヤンキースは、常勝集団であることを徹底的に教育するとききました。いずれにしても優れたフィードバックが必要ですね。「遠慮」や「謙遜」に拮抗するフィードバック。影響力の法則では、このようなフィードバックが重要なカレンシーである、と定義しています。私たちの組織を本当のチームにするのに、どんなフィードバックが有効でしょうか。ほめる?機会を与える?対外試合をさせる?いろいろな方法があると思います。
さて、こうして野球は立教の勝利となり、優勝に望みをつなぎました。選手の健闘をたたえたい。東大もよくやった。これが別の領域だったら、東大が圧勝することもあったでしょうね。ああ、面白かった!
2011/05/18
再選挙
以前取り上げた千葉県議会議員選挙、浦安選挙区。次の日曜日が投票日となりました。4月の選挙では立候補しなかった新しい候補者が出馬されてびっくり。民主、自民で分け合っていたところに、みんなの党の新人さんが出てきたのです。これが答えだったのか、と感心するばかり。結果的には、新人さんに準備期間を差し上げたようなものですよねえ(真意はわかりませんが、そう思われてしまうのは覚悟の上と思います)。
浦安が液状化で被災したのは周知の通り。そんな大変な状況に、党首クラスで早々に浦安入りしたのはみんなの党の渡辺代表だけだったとか。恩義を感じない人はいないでしょう。原則が揺らぐのはやむを得なかったんじゃないかな。
それにしても、こうして簡単に原則が揺らぐものなんですね。意識していなければ、大事なときに揺らいでしまいます。山本七平著『人望の研究』を読んで思った次第。(この本も食わず嫌いで読まなかったんですが、おもしろかった。また今度書きます)
浦安が液状化で被災したのは周知の通り。そんな大変な状況に、党首クラスで早々に浦安入りしたのはみんなの党の渡辺代表だけだったとか。恩義を感じない人はいないでしょう。原則が揺らぐのはやむを得なかったんじゃないかな。
それにしても、こうして簡単に原則が揺らぐものなんですね。意識していなければ、大事なときに揺らいでしまいます。山本七平著『人望の研究』を読んで思った次第。(この本も食わず嫌いで読まなかったんですが、おもしろかった。また今度書きます)
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